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目がショボショボ ドライアイに要注意!
ドライアイ 涙と症状の関係
近年、パソコンやスマートフォンの使用が広がり、集中して目を使う機会が増えたことが、ドライアイが増加している大きな要因になっていると考えられます。ドライアイには目がショボショボ、ゴロゴロするなどの症状があります。
ドライアイの対策や治療法を紹介します
ドライアイとは、目を守るために大切な「涙」が十分に役割を果たせていない状態です。「涙」は、まばたきの弱い刺激によって「涙腺」から分泌され、目の表面に広がります。まばたきをせずに目を開いていると、「涙」は目の表面から蒸発していきます。まばたきは通常、3秒に1回ほどと言われますが、パソコン作業などをしているとそれが10~20秒に1回ほどに減ってしまいます。パソコンやスマートフォンを見つめて目を開きっぱなしになっていると「涙」はどんどん蒸発し、「涙」が足りない状態になってしまいます。
涙には、角膜(黒目)に酸素を与える、目の表面に栄養を与える、外敵から目を守る、乾燥させないように保湿する、ゴミなどを洗い流す、などの役割があります。"涙"はドライアイにならないために重要な働きをしています。
【ドライアイの自覚症状】
- 目がショボショボ・ゴロゴロする
- 目を開いているのがつらい
- 目が痛い
- 充血する
- 目が疲れる
- 見えにくい
ドライアイの治療
治療の基本は点眼薬です。

症状に合わせて、それぞれの薬を使い分けたり、併用したりします。用法用量を守りながら、あきらめずに継続して使用し、効果を実感することが大切です。
パソコンやスマートフォンの画面を見すぎていないか、エアコンなどによる乾燥が起きていないかなど生活環境を見直して、ドライアイの悪化要因を減らす心がけが大切です。自分でできる涙のケアをご紹介します。
- 意識してまばたきする
- 乾燥に注意
- たっぷり睡眠
- 点眼薬を上手に使う
- 目を温める
また、ドライアイは、ただの「疲れ目」だと放置されがちですが、軽く考えず、早めに眼科の受診をすることが大切です。
正しく装着!コンタクトレンズ
コンタクトレンズで目のトラブルに!?
コンタクトレンズの使い方を誤ると、さまざまな障害が起こることがあり、中には失明に至ることもあります。コンタクトレンズによる目の障害や、予防法、正しい使い方を紹介します。
ソフトレンズとハードレンズの違い

ハードレンズは堅い材質でできています。角膜より小さいので、目につけると黒目の部分の内側におさまるような形になります。一方、ソフトレンズは、柔らかい材質でできています。角膜よりも大きいため、目につけると黒目より外側まで覆う形になります。
ソフトレンズは、ハードレンズに比べてやわらかいので、付け心地は良いですが、黒目をすっぽり覆っており、まばたきをした時の涙の交換率は1%ほどと少ないです。もともと角膜に障害を及ばさない程度の酸素は通るように設計されているので、正しく使えば問題はありませんが、誤った使い方をするとハードレンズに比べて酸素不足になりやすく、角膜が傷つき場合によっては重篤な合併症を起こすことがあります。
もちろんハードレンズも、使い方を誤れば障害が起きないわけではありません。
コンタクトレンズによって生じる目の障害
- 角膜上皮障害
角膜の一番外側の層、上皮細胞に起こる障害
角膜上皮というのは治りやすい部分なので、適切な治療やレンズの装用などを行っていれば治りますが、角膜の上皮はバリアの機能をしているので、慢性化してくると、バリアが傷みそれがきっかけになって角膜の感染症などが起こります。 - 角膜潰瘍
角膜の上皮を越えて実質にまで炎症が広がった状態をいい、激しい痛み、充血、視力低下などを生じます。コンタクトレンズの合併症の中でも重症なものです。治療が遅れたり症状が重かったりすると、視力低下が残り、場合によっては失明することもあります。 - 角膜内皮障害
コンタクトを長時間使用によって、角膜の内皮が減ってしまう症状が現れること。
放っておくと角膜がむくみ、浮腫になって視力が落ちてしまいます。
コンタクトレンズの正しくない使い方
- 汚れや化粧品がついた手でレンズに触れる
- レンズをつけたまま眠ってしまう
- 洗浄のとき こすり洗いをしない
- レンズケースが汚れている
- レンズの保存に水道水を使う
コンタクトレンズによる目の障害を予防するには?
インターネットなどで購入する人も増えていますが、コンタクトレンズは眼科の処方に基づいて購入してください。また3~6か月の間の定期検査が重要です。
自分で目のチェックをして、目の調子が悪い時は無理してコンタクトレンズを使わないことが大切。 また年齢とともに涙の分泌などが変わります。若い頃から同じように使っていても、高齢になると目の調子が悪くなることがありますので注意が必要です。
外出先には、眼鏡を持ち歩き、目の調子が悪くなったら替えることが大事です。
コンタクトレンズの間違った使用による視力低下・障害やコンタクトレンズ使用に関する疑問について詳しく知りたい方はこちら
疲れ目とは違う?眼精疲労の症状と対策
眼精疲労は、眼痛やかすみといった目の症状以外に、慢性的に頭痛や肩こりなどの症状が現れることもあります。休息や睡眠では回復しません。疲れ目との違いや眼精疲労の症状や原因について詳しく解説します。
眼精疲労とは
眼精疲労と"疲れ目"は同じものだと思われがちですが、実は違います。
疲れ目は一時的なもので、休息や睡眠をとれば自然に回復し、体への悪影響もほとんどありません。一方、眼精疲労は、眼痛やかすみ、充血といった目の症状以外に、体の別の部位にも影響を及ぼし、慢性的に頭痛や肩こりなどの症状が現れることもあり、休息や睡眠では回復しません。
眼精疲労の原因

眼精疲労の対処方法
- パソコン作業や読書などで近くを見続ける作業が1~2時間以上続く場合は、途中で遠くの景色を見て、毛様体筋をリラックスさせましょう。
- 読書などは明るい所で行うようにしましょう。
- 遠視の人は、適正な度数の凸レンズの眼鏡やコンタクトレンズを使うと、眼精疲労が緩和されます。
- 適正な度数の眼鏡に変更しましょう。
かすんで見える・ぼやける・まぶしい 白内障の症状と検査
白内障とは目の水晶体という組織が濁ってくる病気です。
かすんで見える、ぼやける、片目だと二重三重に見えるなどの症状がある場合は白内障かもしれません。水晶体の濁り方が人によって違うので症状はさまざま。主な症状や検査法を解説します。
白内障になるとどのように見えるのか

上図の左側が正常な見え方、右側が白内障になった場合の見え方です。
正常な状態で見える風景に比べて、白内障になると視野全体が白っぽくかすんで見えるのがわかります。
「白内障の原因や見え方、なりやすい人とは」について詳しく知りたい方はこちら
白内障の主な症状

白内障になると、「物がかすんで見える」という症状が現れます。それ以外に、「ぼやける」、「まぶしい」、「左右で明るさが異なる」、「薄暗いところで見えにくい」、「片目だと物が二重・三重に見える」といった症状が現れることもあります。
「目がかすむ・ぼやける・まぶしい「白内障」の症状と検査方法」について詳しく知りたい方はこちら
視力の低下を補う方法
ロービジョンケアとは
両目の視力が低下している場合は、残っている目の働きを最大限に引き出すためのロービジョンケアというリハビリを行います。生活の質を向上させるために行う医療ケアです。
拡大鏡を使うと文字が読みやすくなります。視力が低下している場合は、黒と白など色のコントラストがはっきりしているほうが物を認識しやすくなります。「黒いまな板に白い包丁」「黒い茶わんに白いごはん」などは、見やすい組み合わせです。また、携帯電話の画面設定を変更して「画面は黒く文字は白字」にするのも有効です。

ロービジョンケアは資格をもつ眼科医の指導のもと、視能訓練士が行います。物を見やすくするための訓練や、視力の低下を補うように工夫された道具(補助具)の選び方や使い方の指導などが受けられるので、担当医に相談しましょう。
近視の仕組みや予防策などについて詳しく知りたい方はこちら
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