検査で心臓病を早期発見する
締めつけられるような胸の痛みがあるときに最も疑われるのが、狭心症と心筋梗塞です。
狭心症や心筋梗塞が疑われる場合には、まず問診で症状や生活習慣病の有無を確認し、心電図検査や運動負荷試験などが行われます。さらに、診断を確定するためには、冠動脈CT検査や冠動脈造影検査、心筋シンチグラフィー検査といった画像検査が行われます。
胸痛の主な原因① 「心筋梗塞」
心筋梗塞では、激しい胸の痛みに襲われます。
「胸が締めつけられるよう」「焼けつくよう」などと訴えます。突然起こることも大きな特徴で、「何時何分に突然始まった」とはっきり覚えている人もいます。非常に苦しいため周囲の人にわかるほどの苦悶(もん)の表情を浮かべます。息苦しい・吐き気・冷や汗などの症状もあります。こうした症状が20分以上続きます。

ただし、糖尿病の人や高齢の人では神経の働きが低下して胸の痛みを感じにくいため、息苦しい程度の症状しか現れないこともあります。心筋梗塞が疑われたら、ただちに救急車を呼んでください。
記事『心筋梗塞が疑われる症状や心電図の波形、血流を回復させるカテーテル治療』はこちら
胸痛の主な原因② 「狭心症」
「狭心症」の症状
狭心症とは、心臓に血液を送っている「冠動脈」の一部に異常が起き、血流が流れにくくなって、心筋(心臓の筋肉)が弱ってしまうものです。
「狭心症」は、「心筋梗塞」に進行する可能性もあります。冠動脈に血栓が詰まって血流が途絶え、周囲の心筋が壊死(えし)してしまうのが「心筋梗塞」です。
狭心症の典型的な症状は、締めつけられるような「胸の痛み」です。
圧迫されるような痛みが、通常は数分から10分ほど続きます。運動した時や興奮した時に起こりやすく、少し休めば心臓の状態が回復します。

胸の痛み以外にも、のどや奥歯、腕、背中、みぞおちなどが痛む「放散痛(関連痛)」という症状が現れることもあります。肩こりや胸焼けなども起こります。
以前は問題のなかった軽い運動時や安静時に発作が起きたり、痛みの持続時間が長くなったりするのは、狭心症の中でも短期間で心筋梗塞へ進行する可能性の高い「不安定狭心症」で、特に注意が必要です。
狭心症の治療 薬による治療や生活改善
狭心症の治療の基本は、生活習慣病の改善です。
減塩や摂取エネルギーを抑えるなど、毎日の食事に注意が必要です。その他、薬による治療が一般的で、症状を予防する薬、血栓を防ぐ薬などがあります。
記事「狭心症の治し方・治療法を徹底解説 薬による治療や生活改善」はこちら
狭心症の治療法2つ「カテーテル治療」「バイパス手術」
狭心症の症状が薬で改善しない場合、カテーテル治療かバイパス手術による血行再建を行います。

どちらの治療法を選ぶかは、患者さんの希望・年齢、狭さくのある場所・数、持病を考慮して選択します。
記事『狭心症の治療法2つ「カテーテル治療」「バイパス手術」徹底解説』はこちら
夜間から早朝に起きる「冠れん縮性狭心症」
狭心症は冠動脈の動脈硬化が原因として知られますが、他に冠動脈が異常に収縮して起こる「冠れん縮性狭心症」があります。
若い世代ではこのタイプの狭心症が多く、夜間から早朝に起こりやすいのが特徴です。
記事『夜間から早朝に起きる「冠れん縮性狭心症」 ストレスや喫煙・飲酒が原因』はこちら
更年期女性に多い狭心症「微小血管狭心症」
微小血管狭心症とは、心臓を養う冠動脈の先にある、細い血管に異常が起こる狭心症です。更年期女性に多く、胸痛が20~30分ほど長く続く・運動時だけでなく安静時にも痛みがあるなどの特徴があります。
記事『更年期女性に多い狭心症「微小血管狭心症」 原因不明の胸痛に注意』はこちら
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