【特集】足の腫れ・むくみ 原因や関連する病気、治療法と対策

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【特集】足の腫れ・むくみ 原因や関連する病気、治療法と対策

腫れやむくみといった足のトラブル・悩み。疲れで生じるむくみや捻挫による足の腫れなどは、そのままにしていると重症化する可能性もあります。また、がんなどの危険な病気が潜んでいることも。足のむくみ・腫れの原因や治療法・対策をまとめました。

足のむくみの主な原因

足のむくみ、疲れ、夜中のこむら返りの原因として多いのは、足の静脈の血行不良です。

立ちっぱなしや座りっぱなしで動かない時間が長いと、足の血行が悪くなります。

すると、余計な水分が血管から染みだし、周囲の細胞の新陳代謝を悪くして、足の疲れ、だるさ、むくみ、夜中のこむら返りにつながります。

さらに、この状態を放置すると、やがて静脈が変形し浮き出てしまう「下肢静脈瘤(りゅう)」という病気に進行する場合があります。



下肢静脈瘤とは

脚の静脈は心臓に向かって血液を戻すため、下図のように重力に逆らい、下から上へと血液を送ります。

脚の静脈は心臓に向かって血液を戻す

このとき、血液が下の方に逆流するのを防いでいるのが、静脈の中にある「静脈弁」です。この静脈弁が何らかの原因で弱くなり、うまく閉まらないと、静脈の中に逆流した血液が静脈を押し広げ、血管を変形させてしまいます。

静脈弁が何らかの原因で弱くなり、血液が逆流する

これが下肢静脈瘤です。
下肢静脈瘤には4つのタイプがあります。この中でむくみ・だるさなどの症状が現れて進行するのは、「伏在(ふくざい)型静脈瘤」だけです。

下肢静脈瘤の症状、診断、治療について詳しく知りたい方はこちら
下肢静脈瘤 手術のタイミングについてはこちら



もしかしてエコノミークラス症候群?

いわゆる「エコノミークラス症候群」は、車などの狭い座席に長い時間座ることで、血のかたまり(血栓)ができ、肺などの血管がつまるおそれのある疾患です。

長時間足を動かさないと、脚の血管に血の塊「血栓」ができることがあります。血栓ができると血液の流れがさらに悪くなり、水分が血管の外にしみ出して脚がむくみます。それが「深部静脈血栓症」です。

この血栓をそのまま放置すると、立ち上がったときなどに血栓が静脈を伝って肺にまで達し、呼吸困難に陥ることがあります。そうなると命に関わります。

『エコノミークラス症候群(肺血栓塞栓症)を予防するストレッチ』はこちら



足のむくみ そのほかの原因



足首の腫れや痛み 変形性足関節症とは

足首の痛みの主な原因である「変形性足関節症」は、足首の関節にある軟骨が損傷して炎症が起こり、痛みを生じる病気です。

変形性足関節症の症状

主な症状として、次のようなことが挙げられます。

【変形性足関節症の症状】

  • 動き始めに痛い
  • 朝早く起きてすぐの1、2歩が痛い
  • しばらく動かすと楽になる
  • 夕方に腫れる
  • 坂や階段を下りるのがつらい

変形性足関節症の治療法を知りたい方はこちら



足や指の腫れ 痛風とは

痛風はある日突然、足や指などの関節が、赤く腫れて痛み出すものです。

痛風のなりやすさを見るセルフチェックがあります。
このセルフチェックにある10項目の中で、5つ以上当てはまると痛風を発症する危険が高いといえます。

【痛風セルフチェック】

  • 男性である
  • 30歳以上である
  • 太っている
  • 外食やコンビニ食が多い
  • 食事の時間が不規則
  • アルコールをよく飲む
  • ジュースや清涼飲料水をよく飲む
  • 甘いものを好む
  • ストレスが多い
  • 家族に痛風の人がいる

記事『痛風の治療と症状、原因 尿酸値を高める危険因子とは』はこちら



リンパ節の腫れが起こる 悪性リンパ腫

悪性リンパ腫とは、白血球の一種、リンパ球ががん化する病気です。
ウイルスなどの外敵と戦い、排除する「リンパ球」を体の隅々まで運ぶために張り巡らされているのがリンパ管で、その途中にはリンパ節があります。
主なものは扁桃腺、首、脇の下、脚の付け根などです。

悪性リンパ腫の症状

悪性リンパ腫になると、多くの場合リンパ節が腫れてきます。
がん化したリンパ球がしこりを作るのです。大きさは1センチ以上になることが多く、痛みはありませんが触ると硬く、複数ある場合もあります。

「腫れがひかない」といって病院を訪れ、この病気だとわかる場合が多いです。
さらに進行すると、38度を超える熱が続いたり、半年以内に10%以上の体重減少や、ひどい寝汗などの症状が現れます。

記事『悪性リンパ腫とは?症状やタイプ別の治療法、自家移植について』はこちら



肉腫(サルコーマ)とは

肉腫とは、骨や脂肪・筋肉などに発生する悪性の腫瘍です。
「希少がん」の一つで、罹患率(発生率)は、すべてのがんのうちの約1%といわれています。また、一言で肉腫といっても非常に多くの種類に分類されます。

骨の肉腫 主な症状

最も多い症状は局所の「腫れ」や「痛み」です。
実際は、見ただけではあまり分からないことが多く、触ると硬く腫れていたり、少し温かかったりして、違和感をもつ人が多いといわれています。

骨肉腫は10歳代の青少年の、男性にやや多く発症することが知られていますが、このような年代の人の手足に、長く続く痛みや腫れが見られたときには成長痛と決めつけず、一度、病院を受診することが勧められます。

肉腫(サルコーマ) 特徴や自覚症状について詳しく知りたい方はこちら