Q&A 高齢者と薬

目次

高齢者と薬のよくあるご質問
18種類の薬、どうしたら減らせる?
2つの受診先で薬の指示が異なる どうしたらよい?
医師と患者が対等に話し合うには?
薬の名前を確認するには?
ふらつきは 抗不安薬の影響?
薬9種 ふらつきがひどい 薬が多すぎる?
もの忘れがひどくなったのは薬の副作用?
睡眠薬のリスクと不眠のリスク
高血圧の薬 一生のむのか?
漢方薬にも控えるべき薬はあるのか?
胃薬の処方が長すぎないか?

高齢者と薬のよくあるご質問

18種類の薬、どうしたら減らせる?

γ-GTP値の異常、慢性すい炎、関節リウマチ、脳動脈瘤[りゅう]、アルツハイマー病、狭心症、不眠症、胃・食道の接合部からの流出障害、逆流性食道炎、せきこみ、メニエール病などがあり、18種類の薬を毎日服用しています。大学病院でそれぞれの診療科を受診しており、薬を減らせないか相談していますが、どの診療科でも必要な薬だと言われます。副作用がこわいです。減らす方法はないものでしょうか。(79歳 女性)
18種類も服用していると、現在の病状によってどうしても必要な薬と、優先順位を考えると必ずしも必要でないかもしれない薬があると思います。病気ごとや臓器別に異なる診療科に通院していると総合的な判断は困難ですが、それでも18種類をのんでいることの不安を明確に担当医に伝えて、各科で少しでも減らせないかという工夫をしてもらえないか働きかけてみてください。のみ合わせに問題がないかどうかを薬局に相談してみるのもよいでしょう。しかし、決して自己判断で服用を中止しないでください。

2つの受診先で薬の指示が異なる どうしたらよい?

20年前から高血圧と脂質異常症、3年前から心房細動があり、内科から5種類の薬が処方されています。さらに今年1月、神経内科で軽度認知障害と診断され、2種類の薬が処方されるようになりました。内科の薬の1つダビガトラン(抗凝固薬)は「血液をサラサラにする薬」、神経内科の薬1つシロスタゾール(抗血小板薬)は「脳の血流を促す薬」と聞いたので、神経内科の医師に2種を併用してよいのか質問したところ、ダビガトランをやめるよう指示されました。しかし、これを内科の医師に伝えると「現在認知症の症状がないので、神経内科の薬は必要ない」と反論されました。どう対応したらいいのでしょうか。今のところ内科の医師の言うとおり神経内科の薬は服用しないようにしています。(73歳 女性)
患者が意見の異なる二人の担当医の板ばさみになることは避けたいですね。このようなケースでは口頭ではなく、診療情報提供書を書いてもらうこと(費用は発生します)、それでも明らかに双方の意見が違う場合は、セカンドピニオン(この場合、サードオピニオン)を求めるのがよいでしょう。納得のいく説明をしてくれる医師を信頼していくしかないですね。

医師と患者が対等に話し合うには?

多くの薬による副作用が心配で「減らせないか」と医師に相談しても聞き入れてもらえないことがあります。医師に不快な表情をされると患者の立場ではあまり強く言えません。薬剤師に相談しても、医師に遠慮するのか十分な協力が得られません。どうしたら医師と患者が対等に話し合えるようになるでしょうか。(88歳 女性)
医師と患者の関係は本来対等ですし、時代は変わりつつあると思います。自分の疑問点を明確にして端的な質問をしてみたらいかがでしょう。若い方は医療情報をよく調べてはっきりと医師にも意見を言い、医師もそれを無視できないものです。したがって、例えば、息子さん・娘さんなどご家族を同伴して代わりに聞いてもらうのも一つの方法かもしれません。

薬の名前を確認するには?

番組で、控えたい薬として「ベンゾジアゼピン系睡眠薬」や「三環性抗うつ薬」が挙げられましたが、自分の薬が当てはまるかどうかわかりません。薬をもらうときの説明書に書いてあればいいのですが。私の受診先は院内処方なので、そこの医師や薬剤師に質問するには勇気がいります。(74歳 女性)
お薬手帳や説明用に印刷された処方内容を、地域の薬局に持参して相談するのがよいでしょう。その上で気になる点があれば、勇気を振り絞って受診先に相談するべきですね。

ふらつきは 抗不安薬の影響?

3年前から不安による動悸[き]があり心療内科に通っています。以前、ベンゾジアゼピン系抗不安薬(短時間型)をのんでいましたが、のみ始めてしばらくすると歩行に変化が現れました。現在は別のベンゾジアゼピン系抗不安薬(長時間型)をのんでいますが、ふらつきがあり、とぼとぼとしか歩けず、ひとりで買い物にも行けません。薬の影響でしょうか。パーキンソン病を疑い検査を受けましたが、問題はありませんでした。(69歳 女性)
抗不安薬による筋弛緩作用で、筋力や歩行能力が低下することはあります。現在の処方薬でも同様の症状があるのであれば、そのような副作用の少ない抗不安薬に変更できないか担当医に相談してみてください。また、パーキンソン病でなくても加齢に伴い筋力が低下するサルコペニアという病気は高齢者に多くみられます。薬も関係しますが、運動と栄養が重要ですので、その点も相談してみてください。

薬9種 ふらつきがひどい 薬が多すぎる?

50代から脂質異常症で、総コレステロール値は230mg/dLです。4年前には両膝の人工関節置換手術を受けましたが、腰部脊柱管狭窄症のため両足にしびれがあります。3年前には胃炎になりましたが、その後の胃内視鏡検査では異常がありません。これらのため毎日9種類の薬をのんでいます。スタチン、プロトンポンプ阻害薬、胃腸機能調整薬、血管拡張薬、鎮痛薬(NSAIDs)、漢方薬の釣藤散[ちょうとうさん]、抗めまい薬、抗アレルギー薬2種類です。多すぎるのではと心配です。特にふらつきがひどいのが気になります。また、皮膚のかゆみは薬をのんでも全く治る気配がありません。(76歳 女性)
人工関節や腰部脊柱管狭窄[さく]症はふらつきの大きな原因となります。ただし、現在、皮膚のかゆみに対して服用している抗アレルギー薬はふらつきの原因にもなりますので、かゆみに効果がないのであれば一旦中止を検討してもらうよう担当医と相談ください。

もの忘れがひどくなったのは薬の副作用?

もの忘れがひどくなり、薬の副作用ではないか心配です。それに関連し、何度も同じことを言う、書類処理作業が遅くなった、夜9時から朝8時ごろまで眠ってばかりいる、歩くスピードが遅くなったなどの症状があります。処方されているのは、かゆみと湿疹の薬が3種類(抗アレルギー薬・セレスタミン、抗アレルギー薬・レボセチリジン、ステロイド)と糖尿病の薬(インクレチン関連薬)です。どうしたらいいでしょう。(71歳 男性)
少なくとも眠くなるのは2種類の抗アレルギー薬の副作用かもしれません。それと関連して記憶力の低下も出やすい薬なので、もの忘れも関係あるかもしれません。かゆみと湿疹に対する効果とのバランスも重要なので、気になっている点も含めて担当医によく相談ください。一旦中止する、他の薬に変えてみるなどの方法もありますので。

睡眠薬のリスクと不眠のリスク

睡眠薬には様々なリスクがあるようですが、眠れないことも、うつや認知症の原因になると聞きます。生活習慣の改善を試みても不眠症が解消できない場合、どうしたらいいのですか。(49歳 女性)
49歳ですぐ認知症ということはあまり心配しなくてよいでしょうが、確かに不眠はうつの代表的な症状ですし、うつは認知症の要因です。不眠症の薬には認知機能に大きな影響のないものもありますので、それらを試す方法もあります。

高血圧の薬 一生のむのか?

父(72歳)が高血圧の薬を3年ほどのんでいますが、一生のみ続けなければいけないのですか。医者は「薬をのんでいるから血圧が下がっている」と言います。血圧は上が130mmHg台、下が80mmHg台です。薬をやめられる人とやめられない人の違いは何ですか。医師の考え方によるのですか。(42歳 女性)
高血圧は薬では治らず、なかにはかなり厳しい減塩や肥満の場合には減量で良くなることもありますが、血圧を下げて脳卒中や心臓病の予防をするためにたいていは降圧薬をのみ続ける必要があります。ですから、生活習慣の改善で降圧薬の数や量は減らせても、完全に縁が切れる人は、もともと軽症であるなど、非常にまれです。

漢方薬にも控えるべき薬はあるのか?

漢方薬にも高齢者が特に慎重に使うべき薬はありますか。(86歳 男性)
漢方にも特有の副作用があります。特に甘草[かんぞう]という成分は不整脈などにつながる低カリウム血症を起こすことがありますが、多くの漢方薬に含まれており、複数を併用する際は成分に注意が必要です。他にも麻黄[おうま]や附子[ぶし]など作用の強い成分もあり、漢方だから副作用は大丈夫ということはありません。

胃薬の処方が長すぎないか?

萎縮性胃炎がありピロリ菌の除去をしましたが症状は回復しません。以前、胃薬としてプロトンポンプ阻害薬・オメプラゾールとセロトニン受容体作動薬・モサプリドが処方され、モサプリドは「通常週2回」と薬の事典に書いてありましたが、1年以上服用しました。医師は「問題ない」と言いましたが、それでよかったのでしょうか。現在、オメプラゾールがプロトンポンプ阻害薬・エソメプラゾールに変更され、睡眠薬(ベンゾジアゼピン系)も処方されています。エソメプラゾールは「8週間まで」と事典にありますが、すでに半年服用しています。このまま続けていいのでしょうか?(69歳 女性)
プロトンポンプ阻害薬を含む胃薬を長年服用している方は多くいます。胃潰瘍[かいよう]では8週間までですが、難治性逆流性食道炎では長期服用します。一般に大きな問題は起きませんが、プロトンポンプ阻害薬は胃酸の分泌を強く抑えるので、高齢者の高用量、長期服用に関連してビタミンB1やカルシウムの吸収低下なども指摘されています。それよりも、胃炎の症状が続くのなら、ピロリ菌の除去が上手くいったのかどうかを確認するべきでしょう。除菌に失敗する例も多くあります。
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