【Q&A】ひざのロッキングとは?自然に治る?原因や治療について

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去年から、時々、ひざのロッキングが起こります。ロッキングが起こった時は、軟骨の「かけら」が骨の間に挟まった状態になるため、ひざが伸ばせなくなり、少し曲げたまま歩いています。しかし、数日後には「かけら」が後ろに動いてくれるのか、自然に治り、徐々にひざも伸ばせるようになります。
ロッキングの原因は、バドミントンを長年続けていたので、半月板が損傷したためだと思います。去年の6月からは、ロッキングは、全く起こっていなくて、とても調子がいいのですが、やはり、その「かけら」は取り出した方がいいでしょうか。手術をするかどうか迷っています。(63歳 女性)

専門家による回答

「半月板損傷」の可能性もあるとは思いますが、症状と経過から見て、これは、「関節ネズミ」の可能性もあると思います。この場合の「ネズミ」とは、骨や軟骨のかけらのことで、正式には「関節遊離体」といいます。関節の中を自由にちょろちょろと動き回るため「ネズミ」とも呼ばれています。

「関節ネズミ(骨や軟骨のかけら)」は関節内を動き回り、関節内の狭い隙間に挟まったり、引っかかったりすることで強い痛みや、ロッキングを引き起こし歩行困難になりますが、関節内の比較的広い場所に移動すると、急に痛みが無くなり、ロッキングも治ります。

軟骨が剥がれてしまう原因は、「変形性ひざ関節症」や、関節の中に軟骨が剥がれ落ちてしまう病気、若い方では「離断性軟骨炎」、高齢の方では「骨壊死症」などが挙げられます。「関節ネズミ」の症状は、ひざの痛み、ロッキング、引っ掛かり感、ひざに水が溜まる、ひざの違和感などです。半月板損傷の症状と似ているのも特徴のひとつです。

しかし、ご質問者は、少し様子をみていて大丈夫かと思います。そのうちに関節を覆う「滑膜」に軟骨のかけらが取り込まれる可能性があるからです。取り込まれてしまえば、そこから移動することはありません。しかし、もし、また再発するようでしたら、MRI検査での精査や内視鏡でかけらを取り除く手術が勧められます。そうすればもう激痛やロッキングは起こることはありません。

(2021年5月3日(月)~6日(木)放送関連)