【Q&A】高齢者の転倒後の症状 認知症やせん妄、うつ病が疑われるケース

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1月に浴室で転んで1週間後ぐらいから、妄想や幻覚、もの忘れなど、今までほとんどなかった認知症に似た症状が突然出始めました。食欲もなく、元気もありません。
もともと慢性硬膜下血腫があったため、脳神経外科でCTを撮りましたが、異常ありませんでした。高齢者のうつ病に似た症状だと思うのですが、どんな検査をすればよいでしょうか。(92歳 男性)

専門家による回答

まず、せん妄が疑われます。うつ病では原則的に、幻覚が生じることはありません。また、症状が「突然」生じるというのも気になります。うつ病や認知症の場合、症状は一般に緩徐に進むので、「ある日、突然」という場合には別の疾患をまず考えたほうがよいでしょう。
90代ということで、身体の予備能が小さく、身体各部の少しのコンディションの低下であっても、悪循環で全身のコンディションが低下し、併せて脳機能が低下したことで「せん妄」を発症した可能性があります。ただし、せん妄というのは、何かもとになる原因や疾患、臓器不全があってのことなので、そのもとの要因を探すことが大事です。

総合病院などを受診して、内科的、神経学的な身体診察と、血液・生化学的検査、脳の機能水準をみるための脳波検査、そしてさらに詳しいMRIなどの画像検査を受けられるとよいでしょう。現在服用している薬の、のみ間違いがないかどうかもチェックしてみてください。

(2019年2月12日(火)、13日(水)放送関連)

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