-
昨年末、腎生検で慢性糸球体腎炎と診断されました。血液検査では腎臓の数値は正常でしたが、たんぱく尿と血尿が ここ8か月ほど1+から3+です。へんとう腺摘出とステロイドパルス療法をすすめられていますが、受けるべきでしょうか? また、腎生検ではどんな組織から慢性糸球体腎炎がわかるのですか?(39歳 女性)
専門家による回答
-
慢性糸球体腎炎の中でも最も多いIgA腎症と診断されましたね。蓄尿で蛋白尿が1g/日以上ある場合には、へんとう腺摘出とステロイドパルス療法が、たんぱく尿・血尿の改善に有効とされております。ときにへんとう摘出を行わず、ステロイドパルス療法単独で治療が行われる場合もあります。まずはIgA腎症の臨床重症度の評価から治療を進められているのであれば、受けるべきと思います。
腎生検では光学顕微鏡、蛍光顕微鏡、電子顕微鏡の3つの方法で組織を評価します。IgA腎症の場合には蛍光顕微鏡でIgAが糸球体に染まり、糸球体内の細胞の増殖、組織の硬化、電子顕微鏡では、糸球体の細胞や基底膜の変化を観察し、慢性糸球体腎炎の病型を決定します。このような腎生検による腎臓の組織学的診断は、その後の治療や予後を知るために重要な情報源となります。
(2018年2月5日(月)〜8日(木)放送関連)