【Q&A】無症候性脳梗塞と診断 血管周囲腔の拡大の可能性

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人間ドックの結果がすべて良好なのに、脳ドックで無症候性脳梗塞と診断されました。無症候性脳梗塞のリスクはないようで高血圧・糖尿病・脂質異常症などはありません。
「原因がわからない」とのことで、何か気をつける点などあれば、教えてください。(53歳 女性)

専門家による回答

検査結果を確認することはできないので明言はできませんが、指摘された異常所見は、もしかしたら、「血管周囲腔[くう]の拡大」の可能性があります。血管周囲腔の拡大とは、脳と血管の間に、自然に隙間ができて、そこに血液成分や髄液などの水分が貯留した状態です。通常、脳の萎縮などの老化で起こると考えられており、無症状のケースが多いといえます。画像診断上、無症候性脳梗塞ととても似ているため、これまでにも脳梗塞との鑑別が問題になることがありました。
血管周囲腔の拡大は、発見されたらすぐ治療を要するものではありません。ただ、将来の脳卒中の発症との関連が深いといわれていますので、脳卒中の危険因子(高血圧、糖尿病、過度の飲酒、喫煙など)があれば、その対処が必要なことがあります。
質問者の方は、脳卒中の危険因子は少ないと考えられますので、もし血管周囲腔の拡大であった場合でも、問題は少ないといってよいでしょう。

(2017年5月2日(火)放送関連)

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