【Q&A】薬の使い過ぎによる頭痛ではないか?

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典型的な片頭痛です。薬の使い過ぎによる頭痛を恐れ、長年トリプタンの服用の仕方には細心の注意を払ってきました。ぎりぎり月10回の使用におさえられている状態です。発作回数を減らすため 専門医の指導で、予防薬を数種類試しましたが効果がありません。もう打つ手はないのでしょうか?
また、予防薬で回数が減らないのは、現段階では薬の使い過ぎによる頭痛ではないと解釈してよろしいのでしょうか?(番組では、薬の使い過ぎによる頭痛であれば予防薬で発作回数が減る、とありました。)(47歳 女性)

専門家による回答

薬の使い過ぎで頭痛になる人の多くはもともと片頭痛のある方です。トリプタンや痛み止め(鎮痛薬)を3か月を超えて1か月に10~15日以上(薬によって日数が異なります)使用した結果として頭痛が月に15日以上となった場合に、薬の使い過ぎによる頭痛と診断されます。頭痛が増えてしまったから薬をのむ回数が増えたのか、薬をのむ回数が増えたから頭痛がさらに増えたのかは判断が難しいところです。
通常はトリプタンなどの、使い過ぎている薬剤の乱用を中止すれば薬の使い過ぎによる頭痛は改善することが多いと考えられていますが、原因となった薬剤を中止しても頭痛が改善しない場合は、薬の使い過ぎによる頭痛だけでなく、片頭痛が慢性化して「慢性片頭痛」の状態になっていると考えられます。慢性片頭痛を引き起こす因子としては薬の使い過ぎのほか、肥満、カフェインのとりすぎ、睡眠障害、精神疾患の合併などが考えられています。
もしこれらのことに思い当たるものがあれば、その治療をしていく必要があります。今まで予防薬を数種類試したとのことですが、どのような薬剤をどれくらいの量、どれくらいの期間試されたのかわかりませんのでお答えするのが難しいのですが、他にも外来でできる方法があるかもしれません。
また薬の使い過ぎによる頭痛で、どうしても原因となった薬剤(質問者の場合はトリプタン)を中止することができない場合、2週間ほど入院していただき、医師の管理下でトリプタンを中止し、頭痛に対する治療を行う、という方法もあります。

(2017年8月14日(月)〜16日(水)放送関連)

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