【Q&A】肺MAC症対策 風呂掃除の方法は?

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MAC菌は、お風呂まわりに生息するとありましたが、有効な掃除方法があれば教えてください。
掃除するとき、酸かアルカリか、どちらの洗剤の方が菌に対して効果があるでしょうか?
熱湯を浴槽や壁などにかけるのは効果があるでしょうか?その場合、何度以上で菌は死にますか?
シャワーヘッドをこれくらいで交換するとか、自動お湯はりをするか蛇口から入れるとか、追いだきしても良いのかなど、なんでも結構です。(56歳 女性)

専門家による回答

MAC菌(M.avium + M.intracellulare)のうち、風呂場から検出されるのはM.aviumの方です。この菌は42度という、一般の細菌が増殖しにくい高い温度でも増殖する性質をもっています。ユニットバスのお湯の出口(給湯口)についているフィルターより更に奥のパイプに、ぬるぬるしたのりのようなバイオフィルムを形成して、その中でMAC菌は増殖するようです。
したがって40~43度に自動設定されたお湯を出すと、浴槽内に菌が混じって出てきます。水分子の凝集でおこる湯気の中には菌はいないはずなので、お湯に入るだけでは感染しません。感染するのは、MAC菌を含んだ水滴(飛まつ=エアロゾル)が空中に飛び散り、菌に付いた水が蒸発することで空気中にMACが浮遊する場合です。これを肺に吸い込んでMAC症になると考えられます。
ご質問にある「有効な掃除方法」ですが、菌のいるのがフィルターの奥なので結構難しいのです。抗酸菌の細胞壁(菌の表面構造)は、疎水性の脂肪で形成され酸・アルカリ・アルコール・塩素にも抵抗性を示します。
更にこの菌はバイオフィルムに包まれているので、完全消毒は困難でしょう。抗酸菌の弱点は乾燥や紫外線なので、浴槽の乾燥や窓を開けて日光を当てることの方がよいかもしれません。24時間風呂はMAC菌の温床になる可能性があります。

(2017年2月14日(火)放送関連)

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