-
3月末に帯状疱疹(背中→胸→脇、腕の広範囲に湿疹)を発症し、約5か月が経過しました。現在、薬物療法(痛み止め(鎮痛薬)、ブロック注射、漢方薬)を継続して行っていますが、痛みが完全にひきません。痛みは、「夕方~夜(就寝)にかけての1日の疲労による痛み」、「お店や電車の中の冷房による痛み」等です。
慢性痛の治療法として、運動療法がありましたが、この治療法は、帯状疱疹後神経痛でも有効でしょうか?慢性痛に関する質問ではありませんが、「帯状法疱疹後神経痛」と「慢性痛」の症状が似ていると思い質問をいたします。(痛みにより、運動等を控えています。)(51歳 男性)
専門家による回答
-
帯状疱疹は水痘ウイルスで引き起こされますが、これは水ぼうそうなどが治った後に神経内に潜んだ水痘[すいとう]ウイルスが、ご自身の体調不良など免疫力低下したときに増殖し、神経を伝って皮膚まで出てきてしまうような病態です。この際、一部の神経はウイルスによって不可逆的な損傷を受けるため、神経の障害が残ってしまい、痛みが引き起こされます。これを「帯状疱疹後神経痛」と呼び、慢性痛の一つとも考えられます。60歳までの人の多くは自然によくなりますが、痛いから動かさないという典型的なパターンに入ることは多いです。従って、慢性痛の一つとして、痛みがあっても、したい事はできるという方向性で考え、筋力低下・運動障害などを引き起こさせないという面からも、薬物療法だけで治そうとするのではなく運動療法を積極的に推進すべきと考えられます。
(2016年8月11日(木)放送関連)