2017年06月12日(月)放送

すい臓の病気 徹底解説「急性すい炎」

突然起こる すい臓の炎症

急性すい炎

 急性すい炎は突然起こるすい臓の炎症です。すい臓がむくんで腫れたり、ひどい場合には壊死[えし]したりします。激しい腹痛などが起こり、重症化して死亡することもあります。原因はアルコールや胆石が主です。

消化液がすい臓自体を消化

正常
急性すい炎

 すい臓はすい液という消化液を作ります。正常の場合、すい液はすい管から十二指腸に分泌されて初めて活性化し、食べた物を消化します。急性すい炎では、このすい液がすい臓内で活性化し、すい臓自体を消化してしまいます。これを「自己消化」と呼びます。アルコールや胆石による刺激が原因になって自己消化が起こるのです。

急性すい炎の症状

急性すい炎 症状

 急性すい炎では上腹部の激しい痛みが起こります。すい臓が背中に近いため背中の痛みとして感じられることもあります。吐き気やおう吐、発熱が起こることもあります。飲酒が原因の場合、飲んでから数時間〜半日後に症状が現れます。

重症化して死亡することも

急性すい炎 重症

 急性すい炎の約20%は重症化します。炎症がすい臓の外にまで及んで血管や心臓・肺・腎臓などの臓器不全が起こったり、すい臓が壊死したところに感染症が起こったりする場合が重症です。血圧が下がるショック状態、呼吸困難、意識障害などに至ります。重症化した場合の死亡率は約10%です。

入院して集中治療

入院して集中治療

 急性すい炎と診断されれば、すぐに入院して治療を開始します。すい臓の安静を保つことや激しい痛みを和らげることが治療の中心です。軽症の場合、1週間程度で完治します。重症の場合、専門の医療機関で全身を管理し、入院は1か月〜6か月に及びます。治療法は、絶食、水分の十分な輸液、腸管への栄養、鎮痛薬・抗菌薬・自己消化を抑える薬などです。血液透析、胆石の治療なども必要に応じて行います。

治療後は再発に注意

急性すい炎 再発を防ぐには

 急性すい炎は再発しやすい病気です。再発を繰り返して慢性すい炎に移行してしまうこともあります。それを避けるため、原因に応じて禁酒や胆石の摘出を行います。禁煙、暴飲暴食を避けるなどの食事対策、規則正しい生活を送ることも大切です。

※2017年6月現在の情報です。

☆ 「すい臓の病気 徹底解説」に関する詳しい内容については、きょうの健康テキスト6月号に掲載されています。
きょうの健康テキスト6月号