2017年03月06日(月)放送

こうして骨を守る 骨粗しょう症の予防と治療「忍び寄る骨粗しょう症」

骨粗しょう症とは

 骨粗しょう症は、骨がスカスカの状態になってもろくなる病気です。そのため、ちょっと尻もちをついたり、重いものを持ったりしただけでも骨折をするようになってしまいます。骨の強さには、骨の量の目安である「骨密度」と「骨質」が関係しています。骨密度が低下したり、骨質が劣化したりすると骨粗しょう症になります。

骨密度

正常
骨粗しょう症

 骨は、破骨[はこつ]細胞骨芽[こつが]細胞の作用によって、常に新陳代謝を繰り返しています。破骨細胞は古い骨を吸収して小さな穴を開けます。すると、その穴に骨芽細胞がやってきて、新しい骨を作っていきます。健康な成人の場合、破骨細胞と骨芽細胞の働きのバランスがよく、新陳代謝をしていますので、骨の量は一定に保たれ、古い骨は新しい骨に置き換えられ、丈夫になります。
 しかし、骨粗しょう症の人の場合、破骨細胞と骨芽細胞の働きのバランスが崩れ、破骨細胞の働きが、骨芽細胞の働きを上回ります。その結果、骨の量が減り、骨がスカスカの状態になります。

骨質

カルシウムとコラーゲン

 健康な骨を建物の構造にたとえると、コンクリートに相当するのが「カルシウム」などのミネラル類で、鉄筋に相当するのが「コラーゲン」などです。コラーゲンなどの強さを示すのが、骨質です。
 建物を丈夫にするには、コンクリートがしっかりしていることも大切ですが、鉄筋がしっかりしている必要もあります。つまり、丈夫な骨を作るためには、カルシウムだけでなく、コラーゲン同士がきちんとつながって、しっかりしていることが大切なのです。
 骨の強さは、骨密度で70%が決まり、骨質で30%が決まります。

骨粗しょう症になりやすい人

原因

高齢者
 加齢により、腸でのカルシウムの吸収が悪くなります。そのため食事で若いころと同じ量のカルシウムをとっていても、体に入る量は少なくなってしまいます。
閉経後の女性
 女性ホルモンは、骨密度を保つのに役立っています。特に、女性は閉経を機に女性ホルモンの分泌量が急に減少します。そのため、女性は閉経後に骨粗しょう症になり、骨密度が低下して骨折を起こしやすくなるのです。
数回以上に渡るダイエットをした人
 カルシウムなどを含めた栄養素が不足しやすく、骨が弱くなります。特に骨が成長する10歳代での過度のダイエットには大きな問題があります。骨量は20歳代でも最も多くなるのですが、この時期に骨量が十分な量に達していないと、閉経後早い時期に骨粗しょう症を起こしやすいことがわかっています。
運動不足
 運動で体に適度な負荷をかけると、骨芽細胞を活性化させて、新しい骨を作る働きを促しますが、運動不足だと丈夫な骨が作られなくなります。
喫煙者
 エストロゲンの分泌を低下させ骨量が減ります。
過度の飲酒
 過度の飲酒は骨芽細胞の働きを邪魔して、骨を作る働きを低下させます。
糖尿病や慢性腎臓病などの生活習慣病がある人
 インスリンには骨芽細胞を増やす作用がありますが、糖尿病では、インスリンがうまく働いてくれないために、骨を作る細胞である骨芽細胞が不足してしまいます。また、慢性腎臓病があると、カルシウム不足を補うために骨からカルシウムが溶け出し、骨量が減少してしまいます。
骨粗しょう症の家族歴がある人
 母と娘は食事をはじめとした生活環境や体型が似ているためか、骨密度も類似するといわれています。母が骨粗しょう症を患っていた場合、娘も注意が必要です。

骨折が起こりやすい部位

骨折順位

 新潟県佐渡市における骨折調査によると、骨折が起こりやすい部位は、多い順から、背骨太ももの付け根手首腕の付け根です。

背骨の骨折

 背骨の骨折は、上下の方向で押しつぶされたように骨折します。骨折が治っても、もとのように膨らみません。そのため、骨折が重なると、身長が低くなったり、背中が丸くなったりします。ただし、背骨の骨折を自覚していた患者さんは全体の3分の1にすぎないという報告もあり、ほとんど気がつかないうちに骨折していることが多いようです。若いころより身長が4㎝以上低下し、背中が丸くなっているようなら、背骨を骨折しているリスクは高いといえます。

骨粗しょう症の検査

DXA[デキサ]法
 エックス線を使って、骨密度を測定する方法です。全身用のDXA法では、体のほとんどの骨の測定ができます。前腕部の測定を行うDXA[デキサ]法もあります。
DXA法
MD法
 手のエックス線写真で骨密度を測定する方法です。
MD法
超音波法
 超音波法は、かかとの骨に超音波を当て、超音波の伝わる速度から骨密度を測定する方法です。
超音波法

 女性の場合、閉経を迎えたら、1年または数年に1回は検査を受けましょう。男性も、一度は受診しておくと安心です。

※2017年3月現在の情報です。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト3月号に掲載されています。
きょうの健康テキスト3月号