2016年10月03日(月)放送

腰痛 徹底解説「腰痛が起きたら」

腰痛の原因

円グラフ腰痛の分類と頻度
腰の椎間関節
腰の筋肉

 日本整形外科学会の調査では、日本には腰痛のある人が約3000万人いると推計されています。腰痛を原因別に分類すると、重い脊椎の病気、内臓の病気、腰部脊柱管狭さく椎間板ヘルニアなど腰の神経の障害によるもの、そのほか、原因が特定しにくい非特異的腰痛に大きく分けられます。腰痛を起こす重い脊椎の病気には、化のう性脊椎炎、がんの骨への転移、背骨の圧迫骨折などがあり、腰痛全体の約1%の患者さんがいると考えられています。また、内臓からの神経の多くが腰に伸びているため、慢性すい炎腎う腎炎尿路結石、慢性の十二指腸潰瘍子宮内膜症などで腰痛が起こることがあります。内臓の病気による腰痛は、腰痛全体の約2%の患者さんがいると考えられます。腰部脊柱管狭さくや椎間板ヘルニアなど腰の神経の障害により起こる腰痛は、腰痛全体の約10%を占めます。このように、原因を特定できる腰痛は全体の約15%で、残りの約85%は原因を特定しにくい非特異的腰痛で、一般に腰痛症坐骨神経痛などと診断されます。非特異的腰痛の多くは、腰の椎間関節や筋肉などに原因があるといわれていますが、原因を特定するには、腰のある箇所の神経をまひさせて痛みが取れるかどうかを確認する検査を何か所も行う必要があるため、原因の特定までは行わず、痛みをとる治療が優先されます。

腰痛 危険度チェック

チェック1~5

 このチェック表の①~⑤のうち、①の「じっとしていても痛む」に当てはまる場合、重い脊椎の病気や内臓の病気の可能性が考えられるため、危険度は大です。②の「背中が曲がってきた」に当てはまる場合、骨粗しょう症によって背骨がつぶれる圧迫骨折が起きている可能性があり、その場合は危険です。骨粗しょう症は、骨の中がスカスカになる病気で、閉経後の女性に多く起こります。③の「お尻や脚が痛む、あるいはしびれる」、④の「脚のしびれにより長く歩けない」いずれか1つでも当てはまる場合、腰部脊柱管狭さくや椎間板ヘルニアなど、腰の神経の障害が原因で症状が起こっている可能性があります。これらの病気は進行することがあるため要注意です。①~④の項目に1つでも当てはまる場合は、一度医療機関を受診することがすすめられます。  ⑤の「体を動かしたときだけ腰だけ痛む」のみ当てはまる場合、腰の椎間関節や筋肉などが原因の腰痛である可能性が高く、その場合、当面の危険はありません。ただし、症状が悪化した場合や、3か月以上症状が続く慢性腰痛の場合は、整形外科を受診することがすすめられます。

危険でない腰痛の対処法

自分でできる対処

 危険でない腰痛の場合、仕事をするなど、できる範囲で通常の生活を続けた方が早く治ることがわかっています。また、ウォーキングのような適度な運動を日常的に行うと、脳の中で痛みを抑える物質が増えます。ほかにも、自分が楽しいと感じる、リラックスできることでも同様の効果があります。たとえば好きな音楽を聴いたり、好きな映画を観たり、アロマオイルなど好きな香りを楽しんだりする時間をつくることがすすめられます。

※2016年10月現在の情報です。

詳しい内容については、きょうの健康テキスト10月号に掲載されています。
きょうの健康テキスト10月号