2016年09月26日(月)放送

足のケア「外反母趾[ぼし]」

外反母趾の原因

20度以上の文言とX線写真
足の指の形

 外反母趾は、足の親指が人差し指に向かって20度以上曲がってしまう病気です。親指の付け根の関節が突き出し、靴に当たって痛みや炎症を起こします。
 人間の足の指の形には3種類ありますが、そのうち親指が一番長い形の人は外反母趾になりやすいと言われています。親指が靴の先端に当たって圧迫を受けやすいからです。しかし、親指が一番長くない人でも、圧迫を受けるような靴を履けば、外反母趾になる可能性があるので注意が必要です。
 では、どんな靴が親指を圧迫して外反母趾を起こすのでしょうか。答えは、先が細い靴かかとが高い靴です。先が細い靴は、親指を人差し指側に圧迫してしまいます。一方、かかとが高い靴は、足が靴の先端に向かって滑り落ちるため、指先全体が靴の先端に押し付けられてしまいます。しかも、親指をまっすぐに支えているじん帯が緩むので、親指が曲がりやすくなってしまいます。

外反母趾の治療

亜脱臼

 治療は、変形の大きさに関わらず「痛い」と感じたら行います。外反母趾は重症化すると親指の関節が半分脱臼した「亜脱臼」という状態になり、親指が回転してしまいます。この場合、放っておくとさらに変形が進行してしまうので、痛くなくても治療を行います。治療は大きく分けて2種類。保存療法手術です。手術は最終手段ですので、基本的には保存療法から行います。

保存療法

 保存療法には3種類あります。靴の指導足の指の体操、そして装具療法です。

理想的な靴

①靴の指導
 外反母趾の原因になるのは、先の細い靴やかかとが高い靴ですから、先が細くなく、かかとが高くない靴が理想的です。また、足の指が靴の中で動かせるように、つま先には1~1.5センチほど余裕があると良いでしょう。さらに、靴の中で足が滑って前にずれないように、かかとと甲が固定される靴を履きましょう。ハイヒールを履く場合、移動の間は別の靴を履くなどして、ハイヒールを履いている時間を極力短くしましょう。また、甲に太いストラップがついたハイヒールを選べば甲が固定されて、足が前にずれてしまうのを防ぐことができます。中敷に貼る滑り止めを活用するのも良いでしょう。
②足の指の体操
 足の指でグーとパーを作る体操が効果的です。この体操で親指を支えている筋肉を鍛えます。軽度~中等度であれば進行を止める効果が期待できます。グーは全ての指を曲げます。パーは全ての指を開きます。このとき親指が開いていることが一番重要です。
③装具療法
 靴の指導と体操に加えて、痛みがある場合は装具を装着します。種類は様々ですが、主にトースプレッダー足底挿板を使用します。トースプレッダーは親指と人差し指の間に挟み、親指を開く目的で使用します。足底挿板は使用する人の足に合わせて作る、靴の中敷タイプの装具です。親指を開くときに使う筋肉を支えることで、曲がってしまった親指をもとに戻す作用があります。

手術

手術法

 保存療法でも痛みが取れない場合や変形が改善しない場合は手術を行います。足の親指の付け根にある中足骨[ちゅうそくこつ]という骨を切る手術を行います。骨の切り方は患者さんによって様々です。基本的には、軽度~中等度の場合は骨の移動が小さい遠位骨切り術、中等度~重度の場合は骨の移動の自由度が高い近位骨切り術水平骨切り術を行います。骨を切る手術ですから、骨が付くのに4~6週間、完治までには3ヶ月かかります。4~6週間の間は松葉杖をついたり、かかとで歩いたりします。

予防

 外反母趾は靴が原因なので、靴の見直しによって防ぐことができる病気です。外反母趾になりやすい人、外反母趾が気になり始めた人は自分の足に気を配って、重症化しないようにしましょう。

※2016年9月現在の情報です。

外反母趾の詳しい内容については、きょうの健康テキスト9月号に掲載されています。
きょうの健康テキスト9月号