2016年08月10日(水)放送

禁煙 受診が成功のカギ

喫煙で高まる病気や死亡のリスク

喫煙が影響する病気
喫煙が影響する病気
受動喫煙で年間約15000人が死亡

 喫煙は、心筋梗塞・狭心症脳卒中COPD慢性閉塞性肺疾患)、がんなど多くの病気のリスクを高めます。ニコチンが血管を強く収縮させること、たばこの煙に含まれる有害成分が肺の構造を壊してしまうこと、70種類以上の発がん物質がたばこの煙に含まれることなどが影響します。特に肺がんは4.5倍(男性)、喉頭がんは32.5倍(同)リスクが高まるとの報告があります。また若い頃から喫煙を続けた場合、男性で8年、女性10年 寿命が短くなると報告されています。受動喫煙でも年間およそ1万5千人が死亡しているという推計があります。

医療機関で禁煙治療を

禁煙治療

 しかし、禁煙は自力では難しく、5〜8パーセントしか成功しないと言われています。そこで医療機関で禁煙治療を受けることが勧められます。禁煙治療では禁煙補助薬が処方されます。貼り薬のニコチンパッチ、または、のみ薬のバレニクリンです。医師や看護師の禁煙指導も受けられます。
 禁煙治療は通常、保険診療です。3か月間に5回の外来受診をしながら禁煙していきます。35歳以上の場合「1日の喫煙本数×喫煙年数」が200以上であることが保険診療の条件です。たとえば1日20本を10年間吸っていれば200です。ただし35歳未満の場合は、この条件を問わず保険診療です。若い人が受診しやすいように今年から変更されました。

禁煙補助薬 ① ニコチンパッチ

ニコチンパッチ

 ニコチンパッチは、禁煙したうえで1日1回、腕や胸などに貼って使います。皮膚から少量のニコチンが徐々に吸収され、たばこを吸いたい気持ちを和らげます。パッチには大中小のサイズがあり、ニコチンの量が違います。大きなサイズから小さなサイズに変えていき、最後はパッチなしで禁煙できるようにします。副作用には皮膚のかぶれなどがあります。

禁煙補助薬 ② バレニクリン

バレニクリン

 のみ薬のバレニクリンは毎日服用します。最初の1週間ほどは喫煙してもかまいません。バレニクリンには、たばこのニコチンが脳のニコチンの受容体に結びつかないようにする作用があるため、たばこを吸ってもおいしいと感じなくなります。またニコチンに似た作用もあり、吸いたい気持ちを和らげます。副作用には吐き気、便秘、眠気、怖い夢などがあります。うつや自殺したい気持ちが高まる可能性が指摘されていましたが、最近、これらは薬の副作用ではないとする報告が出ています。

禁煙指導とは?

医師や看護師の禁煙指導

 初診時にたばこへの依存度をチェックします。また禁煙の意欲や目的を確認して「禁煙宣言書」にサインしてもらいます。どうしても吸いたいときの対処法もアドバイスします。このほか呼気中の一酸化炭素濃度を測定します。禁煙すれば一酸化炭素濃度がすぐに下がるため、禁煙の励みになると言います。

禁煙できた喜び

禁煙できた喜び

 バレニクリンを使った場合およそ7割の人が禁煙に成功しています。禁煙できた人は「たばこに縛られなくなった」「息切れしなくなった」「肌の調子がよくなった」「部屋が臭くなくなった」「長時間のフライトが苦でなくなった」「お金がたまった」「自分に自信が持てた」「食べ物がおいしくなった」などの喜びの声を語っています。
 ただし、禁煙に成功しても再び喫煙してしまう人も少なくありません。たばこを吸った記憶や長年の習慣がなかなか抜けないためです。「1本だけ」がきっかけで元の喫煙習慣に戻ってしまうことがよくあります。

☆ 「禁煙 受診が成功のカギ」に関する詳しい内容については、きょうの健康テキスト8月号に掲載されています。
きょうの健康テキスト8月号
きょうの健康 テキスト

※2016年8月現在の情報です。