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2011年01月15日(土)放送

ひざの痛み

なぜひざは痛むの?

ひざ関節では、ももの骨とすねの骨が接する部分にある「軟骨」が重要な役割を果たしています。厚さわずか数ミリですが弾力があり、着地の際の衝撃などを吸収したり、なめらかに関節を動かすのに役立っています。ところがこの軟骨は、年齢とともに徐々にすり減ります。するとひざへの衝撃によって骨に影響が出たり、周囲の滑膜などの組織に炎症が起きたりして、痛みが出るのです。これは「変形性ひざ関節症」と呼ばれます。高齢者のひざ痛の大半が、この疾患に起因するということがわかっています。

ひざの痛みの「タイプ」とは?

ひざの痛みは、原因や症状によって、いくつかのタイプに分けられます。番組では今回、症状に従いひざの痛みを4タイプに分け、それぞれの対処法などを伝えました。

1.痛み"予備群" ...... 歩く時ひざに違和感がある
2.急性の痛み ...... 強い炎症が起き、ひざが腫れたり熱くなったりする
3.慢性の痛み ...... 階段の上り下りや立ち座り、正座などの生活動作に支障が出る
4.極度の痛み ...... 安静にしている時も耐え難い痛みに襲われる

ひざの痛みにはどのような治療が適している?

ひざの痛みの主な治療法である「運動療法」「薬物療法」「手術療法」について、どのタイプの痛みの治療に主に適用されるか、下のような図式にまとめて伝えました。

1.痛み"予備群" ...... 運動
2.急性の痛み ...... 薬物
3.慢性の痛み ...... 運動・薬物・手術
4.極度の痛み ...... 運動・薬物・手術

運動はいいの?悪いの?

ひざの痛みに対してはほとんどの場合(痛みのタイプが「慢性の痛み」「極度の痛み」「痛み"予備群"」の場合)、運動療法が効果的であることが科学的に明らかになっています。ただし「急性の痛み」が起きた時は、感染症や骨の異常、痛風といった、安静が必要な病気にかかっている可能性があります。この場合運動は一旦見合わせ、医師に相談することが重要です。
(ひざの痛みを和らげる筋力トレーニングは最後にまとめています)

ひざの手術とはどんなもの?

運動療法、薬物療法などが効果をあげず、痛みが強く、生活に支障が出ている場合、手術を検討します。手術は主に3種類あり、症状や年齢によって最も適したものを選ぶことになります。

・関節鏡手術 ...... 関節の変形があまり進んでいない人に行われる
・骨切り術 ...... 関節の変形の進行が中くらいの、比較的若い人に行われる
・人工関節置換術 ...... 関節の変形が大きく進んだ、比較的高齢の人に行われる

手術・どう決断する?

ひざの手術を受けるべきかどうかは、最終的には本人の判断にゆだねられます。番組では、手術を決断するにあたっての以下のポイントを紹介しました。

・日常生活に大きな支障が出ている
・軟骨が大きくすり減っている
・運動・薬物療法などの効果がみられない
・ひざ関節が痛みの主要因である
・(患者本人に)手術を受ける意欲や目的意識がある

また、人工関節の場合、以下のデメリットがあることを理解した上で、納得して手術を受けることが重要です。

・入院や厳しいリハビリを強いられる
・傷が残る
・感染症のリスクがある
・ひざの曲げ伸ばしに制限が出てくる(正座など和式の生活が困難となる)

痛みがとれない!原因は?

治療を進めてもなかなかひざの痛みがとれない人は少なくありません。番組ではある男性患者の例について、なぜひざの痛みが治らないのか、考えられるいくつかの原因を3人のドクターから挙げてもらいました。主なものは以下のとおり。

・ひざ以外(腰など)の疾患が痛みをもたらしている
・精神的な要因が痛みに影響している
・痛みを伝える神経に何らかの異常が起きている

「治らない痛み」を治した薬は何?

「なかなか治らないひざの痛み」の治療例として、高知県の女性の事例を紹介しました。「神経過敏」と呼ばれる神経の異変が起きていたこの女性に対し、処方されたのは「抗うつ薬」と「抗てんかん薬」でした。いずれも精神科や心療内科で、うつやてんかんの治療に主に使われている薬ですが、「痛み」の治療にも有効であることがわかってきています。

お答えした視聴者からの質問

(質問)
・2年ほど前から通院しています。ヒアルロン酸の注射を最近5回行いましたがあまり変化がないと感じています。この治療を続けるべきでしょうか?
・また、サプリメントなどが市販されていますが、のむと効果があるでしょうか?

(答え)
・5回の注射を行って症状が改善しない場合、これ以上ヒアルロン酸注射だけを続けても効果は望めません。運動療法や他の薬との組み合わせなどを探るべきです。場合によっては手術を検討すべきかもしれません。
・サプリメントについては議論が分かれており、「効果なし」と断定はできないが、(医師が)積極的に使用を勧められる、という状況にはありません。使用して効果が見られない場合、医師に相談されることをおすすめします。

ひざの痛みを治す運動

番組では3種類の筋力トレーニングをご紹介しました。以下に簡単な運動の手順をまとめます。


  • 足あげ体操
    1.平らな床、畳、ベッドなどに仰向けによこたわる
    2.鍛える方と反対側の足のひざを軽く折り曲げる
    3.鍛える方の足をぴんと伸ばし、かかとをゆっくり10センチほど床から持ち上げる
    4.かかとを床から持ち上げたまま5秒間静止し、ゆっくりおろす。

    これを左右の足とも20回くり返す。20回を1セットとし、1日3セット行う。

    ※この体操はいすにすわった姿勢でも行えます。その場合、腰に過度の負担がかからぬよう、ひじかけやいすの座面を両手でしっかりと支えることが重要です。


  • 横あげ体操
    1.平らな床、畳、ベッドなどに横向きによこたわる(鍛える方の足を上にする)
    2.鍛える方の足をぴんと伸ばし、股をゆっくり開くようにし、かかとを10センチほど床から持ち上げる
    3.かかとを床から持ち上げたまま5秒間静止し、ゆっくりおろす。

    これを左右の足とも20回くり返す。20回を1セットとし、1日3セット行う。


  • ボール体操
    1.両足を投げ出すように床にすわる
    2.両ももの間にボール(バレーボール、サッカーボールなど)をはさむ
    3.5秒間、ももでボールを押しつぶすように力を入れ、再びゆるめる

    これを20回くり返す。20回を1セットとし、1日3セット行う。