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2016年02月20日(土)放送

危険な大動脈解離

大動脈解離とは

大動脈とは、心臓からの血液を全身に運ぶ、おおもとの血管です。大動脈は3層の膜からできています。
大動脈解離では、まず一番内側の膜に傷ができ、その亀裂から、血液が膜の層の間に入っていきます。
血液の流れ込む圧力によって、真ん中の層が裂けると、その間に血液が溜まっていきます。これが大動脈解離です。血液が溜まることにより、大動脈が破裂することもあります。
大動脈が破裂してしまうと、病院に到着前に命を落とす患者数はなんと6割。破裂しなくても、治療をせずに裂けたまま放っておいた場合、発症後48時間以内に50%、1週間以内に70%、2週間以内に80%が亡くなるという危険な病気です。
原因は、「高血圧」「喫煙」「動脈硬化」によって血管がもろくなり傷がつくことだと考えられています。大動脈解離では、突然、胸や背中に今まで経験したことのないような激しい痛みを感じ、それが続きます。

治療のチョイス① 上行大動脈の場合

心臓から上に伸びる「上行大動脈」というところが傷ついて解離すると、心臓や脳へ行く動脈が近いので、脳だと「脳梗塞」、心臓だと、「大動脈弁が壊れて血液が逆流」「血液が心臓を覆って心臓が圧迫され動けなくなる」「心筋梗塞」などが起きて、死亡するリスクが高まります。そのため、起きたらすぐに手術をすることが必要です。破裂した場所の血管を「人工血管」に置き換えます。

治療のチョイス② 下行大動脈の場合

心臓の後ろ側に伸びている「下行大動脈」におきた場合、心臓に遠い場所にあることと、偽腔の中に入った血液が固まってしまうことも多く、すぐには破裂しないことが多いので、まず、薬や生活習慣を見直す血圧の管理での治療が中心となります。ただし、定期的な検査(CT検査)は必要です。大動脈の直径が5cmを超えたら手術を考えます。
手術で使うのは「ステントグラフト」。手術は、足の付け根の動脈からカテーテルという細い管を入れ、大動脈解離の部分まで送り込み、カテーテルの中に入っているステントグラフトを広げます。それにより裂け目からそれ以上血液が流れ込むのを防ぎ、大動脈がさらに膨らんだり破裂しないようにするというものです。
使う場所は限られますが、人工血管を使う手術より、体の負担やリスクが少なくて済みます。

治療のチョイス③ 血圧のコントロール

高血圧治療は「大動脈解離」の中心です。
薬でしっかりと血圧を下げるのが基本ですが、生活面でも右図のように様々な注意点があります。