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2016年02月06日(土)放送

中高年の便秘

中高年の便秘

厚労省の国民生活基礎調査によると、日本人のいわゆる「便秘症状」を訴えている患者数は500万、そのうちの7割が女性と言われています。しかし、男女ともに高齢になるほど便秘は増加し、男性も50代では20代の2倍、60代では4倍以上もの人が便秘で悩んでいます。
高齢者は、運動量や食事摂取量の減少、食事内容の変化、咀嚼機能の低下などが大きく関わっていると考えられています。

通常、排便は毎日出なくても心配ありませんが、回数にかかわらず、ひどい残便感やおなかの張り、痛みなどがある場合は注意が必要です。便秘には、大腸がんや子宮筋腫など思わぬ病気が隠れていることもあります。「いつもと違う」と感じたら便秘専門の外来や消化器内科を受診しましょう。
検査では、問診やX線検査、内視鏡検査などで原因を特定していきます。

便秘薬のチョイス

市販で手に入る便秘薬の約7割が「アントラキノン系」と呼ばれるタイプの下剤です。
アントラキノン系の下剤を長期服用すると、大腸が黒ずむ「大腸メラノーシス」を起こすリスクが高まります。大腸メラノーシスになると大腸の機能が全体的に低下すると言われており、悪循環を起こしてしまいます。用法・用量をよく守って、必要な時だけ使用しましょう。


一方、便秘の治療ために病院で処方される基本薬は「のみ薬」です。
★「酸化マグネシウム
この薬は大腸まで届き、大腸内の水分を呼びこむことで便をやわらかくし、排便を促します。

★「ルビプロストン」
2013年に認可された便秘の新薬です。作用は酸化マグネシウムと同じですが、大腸ではなく小腸に働きかけます。

考えられる便秘の原因「腸内ガス」

お通じがこない以外に「お腹が張る」「息苦しい」などの症状も感じられるようになったら、腸内にガスが溜まっている可能性が考えられます。
通常、ガスは呼気やおならで排出されますが、開腹手術の経験がある方や、加齢によって大腸の機能が低下していると、うまく排出できない状態になっていることがあります。また、ガスが腸内でたまってしまうと、大腸が排便を促すための「ぜんどう運動」の機能も低下し、便秘の症状を悪化させてしまうことがあります。

チョイス①「ゴロ寝運動」

腸内ガスを抜くには「おなら」で排出させましょう。以下、手順です。

お腹を適度に圧迫させることが目的なので、運動を行う場所は「畳」や「フローリング」など固い床の上を選びましょう。運動の目安は1日1回、食事直後は避けて、胃腸の働きが活発になる起床後や就寝前に行うのがおすすめです。

① 10分間うつ伏せになる
お腹の下に「枕」などクッション性のあるものを挟むとより効果的です。
腰痛などでうつ伏せが困難な方は「横向き」でも構いません。

② そのまま左右にゴロゴロと転がる動きを5回以上行う
左右どちらから転がっても構いません。
こうすることで大腸にたまったガスを効率よく移動させることができます。

チョイス②「食生活」

便秘の予防・治療には、適切な摂り方で食物繊維を食べることが重要です。
一般的には「食物繊維」とひとくくりにされてしまっていますが、詳しくは「不溶性食物繊維」「水溶性食物繊維」の2種類に分けられます。
この2種類の食物繊維の役割はそれぞれ異なるので「便秘の予防」のために食べるか、「便秘中」に食べるかによって効果が変わります。
便秘中の場合は(不溶性)1:2(水溶性)の割合で食べることが適切とされています。

★ 食物繊維を含んだ食べもの 例
不溶性食物繊維・・・野菜 いも 豆 きのこ類 など
水溶性食物繊維・・・海藻 果物 こんにゃく など

※ バナナやとうもろこしなど、不溶性と水溶性両方の食物繊維を多く含んだ食べ物もあります。