目の異変に注意!未破裂動脈瘤(りゅう)の治療で、くも膜下出血を予防する

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命を脅かすくも膜下出血

くも膜下出血は、脳の表面を覆う軟膜とくま膜の間にあるくも膜下腔という隙間で出血が起こる病気です。発症すると、突然頭を強く殴られたような激しい頭痛に襲われます。発症した人の約3割が命を落とし、約4割が要介護状態になると報告されています。一命をとりとめても要介護になる可能性が高い注意が必要な病気です。

血管のコブに注意

血管のコブに注意

くも膜下出血の原因となるのが、脳の血管の一部がコブ状に膨らむ脳動脈瘤(りゅう)です。破裂しないでとどまっている状態を、未破裂脳動脈瘤と言います。未破裂脳動脈瘤の多くは、脳の太い血管が枝分かれする部分にできます。コブの壁は薄いため、血液の流れに耐えられなくなると破裂します。すると、くも膜下腔に出血が広がり、くも膜下出血が起こります。

未破裂脳動脈瘤は、状態によって破裂する危険性が異なり、大きいほど破裂しやすいことがわかっています。直径3~4mmの小さな脳動脈瘤が破裂する危険度を1とすると、7~9mmは約3.4倍、10~24mmは約9倍、25mm以上だと約76倍も危険度が高くなります。その他、こぶの形がいびつなもの、脳動脈瘤の根本が狭くてサイズの大きなものも破裂しやすいことがわかっています。

「大きさと破裂の危険性の関係」はこちら

未破裂脳動脈瘤 目の異変に注意!

注意!目の異変

未破裂脳動脈瘤があることによって症状が現れ、自分で気づける場合があります。眼球を動かす動眼神経が脳動脈瘤によって圧迫されると、「物が二重に見える」「まぶたが下がる」「瞳孔が開く」といった、目の異変が現れることがあるのです。症状はくも膜下出血を発症する数ヶ月から数日前に現れます。気づいたらすぐに医療機関を受診して、MRA検査を受けましょう。

未破裂脳動脈瘤の治療

未破裂脳動脈瘤によって目などに症状が現れている場合は、くも膜下出血を防ぐために破裂を抑える治療がすすめられます。症状がない場合でも、脳動脈瘤の大きさが5~7mm以上あれば、治療が検討されます。
小さくても形がいびつだったり、根本が狭くてサイズが大きい場合や、破裂しやすい場所にあるとわかったときも治療を検討します。

主な治療法は、クリッピング術とコイル塞栓術です。

クリッピング術

クリッピング術は、開頭して脳動脈瘤の根本をクリップで挟み、脳動脈瘤のへの血流を遮断して破裂を防ぎます。クリップは、半永久的に脳内に残りますが、運動などによって外れる心配はありません。

コイル塞栓術

コイル塞栓術は、血管にカテーテルを通し、脳動脈瘤にコイルを詰めて破裂を抑える治療法です。最近は、入り口が広い脳動脈瘤に対しては、コイル塞栓術を行ったあとに、根本にステントという金属でできた網目状の筒を入れて、コイルが落ちるのを防ぐ治療も行われています。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2019年5月号に詳しく掲載されています。

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