手指に腫れ・痛み・変形が起こる変形性指関節症 つらい痛みを取る対処法は?

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変形性指関節症の特徴

変形性指関節症は、指の関節に腫れや痛み、変形が起こる病気の総称です。関節リウマチでも指の変形は起こりますが、関節リウマチは全身の病気のため、ひざなど、指以外の関節にも変形が現れる点が変形性指関節症と異なります。変形性指関節症は、指だけに起こり、しかも特定の関節に起こります。変形性指関節症にはさまざまなタイプがあり、もっとも多いのがへバーデン結節母指CM関節症です。

へバーデン結節

へバーデン結節
画像:聖隷浜松病院 手外科・マイクロサージャリーセンター 大井 宏之

ヘバーデン結節
画像:聖隷浜松病院 手外科・マイクロサージャリーセンター 大井 宏之

人差し指から小指にかけて、指の第一関節に腫れや痛みが生じます。複数の指に起きたり、1本の指だけに起きたり、さまざまなケースがあります。痛みは経過とともに治まっていきますが、指の変形が進行することがあります。爪の付け根付近に水ぶくれができることもあります。

母指CM関節症

母指CM関節症
画像:聖隷浜松病院 手外科・マイクロサージャリーセンター 大井 宏之

親指の付け根にあるCM関節(指先から数えて3番目の関節)に、腫れや痛みが生じます。進行すると、骨にとげができたりすることにより、親指の付け根が外側に向かって飛び出して見えるようになります。また、親指を広げる動作が難しくなります。

「母指CM関節症」の患者体験談

変形性指関節症が起こる仕組み

変形性指関節症は、何らかの原因で、関節の軟骨がすり減っていくことで起こります。

へバーデン結節
画像:聖隷浜松病院 手外科・マイクロサージャリーセンター 大井 宏之

健康な指関節の場合、骨と骨の間には軟骨があります。軟骨は、骨どうしがぶつからないように、クッションのような役割を果たしています。変形性指関節症では、この軟骨がすり減っていきます。そのため、骨が不安定になり、関節に負担がかかります。その結果、炎症が起こり、腫れや痛みが起こります。

指が変形

軟骨がさらにすり減ってなくなると、骨と骨が直接ぶつかるようになり、その影響で骨にとげができます。この段階になると、強い痛みが出やすくなります。そのまま治療せずに指を使い続けると、次第に指が変形していきます。やがて骨どうしがくっつき、そのまま固定してしまうと、炎症は治まって腫れや痛みはなくなりますが、指は変形したままになります。

発症から指が変形して固定するまでにかかる期間には個人差があります。1~2年間という人もいれば、もっと長い年数をかけてゆっくりと進行する人もいます。

変形性指関節症の症状

変形性指関節症の症状

症状はさまざまですが、主な症状としては、指を使うたびに痛む、痛みのために指の可動範囲が狭まる、指が変形するなどが挙げられます。患者さんの多くは、痛みが原因で受診します。痛みの強さには個人差がありますが、物を持つこともままならなくなる場合もあります。

変形性指関節症を起こしやすい人

変形性指関節症を起こしやすい人

患者さんのほとんどは女性で、40歳代から多くなることから、女性ホルモンと関係すると考えられています。また、手仕事を長年続けてきた人にも多いといわれています。突き指などのけがの後遺症で、その指だけに起こる場合もあります。
仕事や趣味などで指をよく使う人は、指の腫れや痛みに気付いたら、早めに整形外科を受診することが勧められます。

患部の固定や薬による治療

変形性指関節症 対処の基本

変形性指関節症の治療で大切なのは、痛みを抑えることです。テーピングや装具で患部の関節を固定して、手を使ったときの痛みを抑えます。へバーデン結節の場合は、テーピングの代わりにばんそうこうを使う方法もあります。
母指CM関節症の場合は、テーピングができないため、装具が必要になります。装具は、自分に合ったものを医療機関で処方してもらうことができます。同時に、消炎鎮痛薬の湿布薬や塗り薬、のみ薬を使い、炎症と痛みを抑えていきます。こうした治療をしばらく続けると、やがて痛みは取れていきます。

患部の固定や薬による治療を続けても痛みがつらい場合は、骨の一部を削るなどして痛みをなくす手術が検討されます。ただし、手術後しばらくは指を使うことができず、支障なく使えるようになるまでには3か月程度かかります。手術は、いずれは痛みが自然に治まることも考慮しながら、受けるメリット、デメリットについて医師から説明を聞いたうえで、患者さん本人が判断することになります。

発症を防ぐために

発症を防ぐために

例えば、袋を開けるときは、はさみで切って開けるなど、強い力でつまむ動作を避けるようにします。重い段ボール箱を運ぶときには、取っ手を作るなどしてから持つようにしましょう。手をよく使う人は、手作業をするときは、1時間につき少なくとも10分間の休憩を心がけ、痛みがあれば、できるだけ早く整形外科を受診することが大切です。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2019年3月号に詳しく掲載されています。

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