※この映像はNHK認知症キャンペーンの一環として2015年から2016年に放送された番組です。
マスター:ようこそいらっしゃいました。認知症カフェ『どーも』です。認知症を正しく知って、治療・介護・予防をどういう風にすればいいのか、このカフェから発信してまいります。
グッチ:マスター、久しぶりです!
マスター:どうも、いらっしゃいませ。どうしました?
グッチ:聞いてくださいよ。うちの母親が物忘れするようになって、認知症じゃないかと思って心配してるんですよ。
マスター:それは気がかりですね。
グッチ:86ですよ。
マスター:そうですか。
(カランコロン)
マスター:いらっしゃいませ。ちょうどよかった!認知症の検査と治療が専門の浦上克哉さんがいらっしゃいました。
グッチ:よかった。認知症って、物忘れをしたら認知症なんですか?
浦上:いえ、物忘れと認知症は同じではありません。
グッチ:はぁ...
浦上:体験したことをすっかり忘れてしまう、朝ごはんを食べたことをすっかり忘れてしまうようなことが認知症による物忘れです。
グッチ:何を食べたか忘れるのは認知症じゃないってことですか?
浦上:はい。
グッチ:そっか、食べたこと自体を忘れちゃうと...そういうことか。
マスター:認知症は病気なんですよね?
浦上:はい。認知症は病気ですが、認知症自体は病名ではありません。何らかの原因で脳がダメージを受け、記憶力や判断力が低下してくる。それによって日常生活に支障をきたすようになった状態を認知症といいます。

グッチ:何らかの原因というのは気になりますね。
浦上:色んな原因がありまして「アルツハイマー病」というのが最も代表的な病気ですが、大体7割くらいを占めると言われています。
アルツハイマー病に続いて多いのが脳の血管が傷ついて起こる「血管性認知症」、その他にも「レビー小体型」、「前頭側頭型」などがあります。認知症の大部分を占めるアルツハイマー病とは一体どんな病気なのでしょうか?

アルツハイマー病は、発症の10年ほど前から脳の記憶をつかさどる海馬の神経細胞が死んでいき、萎縮し始めます。その結果、認知機能が低下し、アルツハイマー病に至ります。
その原因として考えられるのが、黒いしみのように見えるアミロイドβという老廃物です。発症の20年以上も前から脳に溜まり始めます。
