進歩する関節リウマチの手術!タイミングと部位によって異なる手術法

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手術を検討するタイミング

手術を検討するタイミング

関節リウマチの手術の目的は、関節の痛み腫れをやわらげること、破壊されて変形した関節の機能を回復させることです。患者さんの症状や生活スタイル、希望で手術を検討することになります。最近は、抗リウマチ薬の進歩により関節リウマチで股関節や膝関節などの大きい関節の手術件数は減ってきていますが、手の指や手関節(手首)、足の指や足関節(足首)など小関節の破壊は完全に抑えることが難しく、手術をする頻度は比較的高いです。

関節リウマチの手術は、関節の部位や状態によって手術方法が異なります。現在、大きく分けて、人工関節置換術、関節固定術、関節形成術、腱(けん)の形成術、滑膜切除術の5つの手術方法があります。

最も多く行われている人工関節置換術

人工関節置換術

関節リウマチの手術で最も多く行われているのが、変形した関節を人工関節に置き換える、人工関節置換術です。人工関節置換術は、肩、ひじ、手の指、手関節(手首)、股関節、膝など、動きが制限されると日常生活に支障を来す関節に対して行われます。手関節の人工関節置換術は、2017年に健康保険が適用されるようになりました。
人工関節は、かつては耐用年数が10年ほどとされていたため、できるだけ交換しなくても済むように、手術は高齢になってから行うことが多かったのですが、現在は素材が進歩し、手術から15年経過しても約95%の患者さんは問題なく使用できていると報告されています。さらに、内科的な治療で用いられている抗リウマチ薬の進歩により、骨が強化されて人工関節をしっかり固定できるようになったことも、耐用年数を延ばしているとされています。そのため、最近では、関節が変形した場合は20代や30代でも手術を行うことがあります。

さらに、人工関節置換術では、ナビゲーションシステムが普及しています。骨を切る最適な角度は患者さんによって異なり、骨を切る角度が1度でも異なると、長期的にみると人工関節が緩みやすくなってしまうことがあります。ナビゲーションシステムを使用することで、より精度の高い手術が可能になり、人工関節の耐用年数も延ばせると考えられています。

骨同士をつなぐ関節固定術

関節固定術

関節を固定しても生活に支障を来さない足関節(足首)などでは、変形した骨の一部を切除して、関節の骨同士をつないで固定する「関節固定術」を行うことがあります。金属製のスクリューなどで骨をしっかり固定するため、関節が安定して痛みもなくなります。足関節は、固定してもほかの関節が動きを補うため、歩行に大きな影響はありません。

関節の一部を切除して動きをよくする関節形成術

関節形成術(手関節)

変形した関節の骨の一部を切除して動きをよくするのが「関節形成術」です。主に、ひじ、手関節(手首)、足の指の関節などで行われます。
例えば、手関節に変形が起こった場合は、顔を洗う動作や物を受け取る動作が難しくなるため、日常生活に支障を来しますが、骨の一部を切除して骨どうしを固定することで、動作がスムーズに行えるようになります。外反母趾(がいはんぼし)や槌指(つちゆび:第一関節が曲がったままの状態)など、足の指の変形では、骨の一部を削って指を真っすぐに整えて矯正し、歩きやすくします。

炎症で切れた腱を修復する腱の形成術

炎症で切れた腱を修復する腱の形成術

関節リウマチの炎症で、手の指を伸ばすための腱(けん)が切れることがあります。その切れた腱を再建するのが「腱の形成術」です。腱を再建する方法はいくつかありますが、よく行われているのは、手首の手のひら側にある太い2本の腱のうちの一本を手の指に移行する方法です。手術後は、再び指を伸ばすことができるようになります。

炎症の原因になっている滑膜を切除する滑膜切除術

滑膜切除術

関節リウマチは滑膜の炎症が原因で起こります。増殖した滑膜を、内視鏡を使って切除するのが「滑膜切除術」です。比較的早期で関節の軟骨が残っている場合に行われます。滑膜切除術は痛みをとることが目的になりますが、再発する場合もあります。
最近は、抗リウマチ薬で滑膜の炎症が抑えられるようになってきたため、滑膜切除術は減ってきています。

手術後も治療は継続

手術後の注意

手術で痛みが軽減されて関節の動きが良くなっても、関節リウマチ自体が治ったわけではありません。関節リウマチの患者さんは、炎症によって骨がもろくなっていることが多いので、転倒すると骨折しやすくなっています。適度な運動を行って、筋力を維持することは大切ですが、ジョギングやジャンプをするような関節に負担がかかる運動は控えることが大切です。

また、薬の治療は手術後も継続する必要があります。薬で関節の炎症を抑えること、骨がもろくなっている場合は、骨粗しょう症の治療も併せて行うことが大切です。

関節リウマチのQ&A

生物学的製剤はどうか?(35歳女性)

去年秋に第一子を出産。まもなく関節痛、全身のだるさが続くようになりました。しばらく様子を見ていましたが改善しないので整形外科を受診すると、関節リウマチと診断されました。
授乳をしながら使用できる免疫抑制剤を服用し、現在数か月たったが痛みは改善せず、家事や子どものだっこが思う存分できない日々が続いています...

『Q&A 関節リウマチ』はこちら

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2019年1月号に詳しく掲載されています。

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