年末年始は特に注意!こんなに多い窒息事故 予防と応急処置

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こんなに多い!窒息による死亡

窒息と交通事故による死亡者数の推移
不慮の窒息による死亡者数

窒息が原因で亡くなる人は年間約9000人に上り、不慮の事故による死因では第1位です。これは、交通事故で亡くなる人の2倍近くになります。特に、12~2月は、窒息による死亡者数が多く、亡くなる人のほとんどが高齢者です。窒息は食事中に起こることが多く、餅だけでなく、米飯、パン、肉なども原因となります。

高齢者が窒息しやすい原因

高齢になると、食べ物をのみ込む機能が低下したり、気管に食べ物が入りそうになったときにせきをして出そうとする咳(せき)反射が低下したりします。また、食べ物は、よくかんで唾液と混ざることでのみ込みやすくなりますが、加齢や服用している薬の副作用などによって唾液が十分に分泌されなくなると、食べ物がのどに詰まりやすくなります。さらに、歯を失うなどの口のトラブルで、食べ物を細かくかみ砕くことができないままのみ込んでしまい、詰まる場合もあります。

すばやい応急処置が生死を分ける

呼吸が完全に停止してから3分を過ぎると死亡するおそれがあり、10分たつと生存率は50%、15分を少し過ぎると死亡率は100%になるとされています。食べ物がのどに詰まって、窒息が疑われる場合は、周囲の人が速やかに対処することが重要です。

窒息のサインを見逃すな!

食べ物が気管に詰まって呼吸が苦しくなると、ほとんどの人が両手でのどをつかむ「チョークサイン」をだします。チョークサインに気付いたら、窒息が起こっていることを疑ってください。ただし、高齢者は、チョークサインを出せずに、食事中に急にうなだれる、声を出せない、顔色が急に真っ青になるなどの場合があるので注意が必要です。

チョークサイン

窒息が疑われる場合は、まず呼びかけをして反応するか、声が出るかどうかを確認します。呼びかけに反応して、声が出る場合は、可能であれば、できるだけせきをさせて詰まった食べ物を出させます。食べ物がのどに詰まっているときには水は飲ませないでください。せきをしてのどに詰まっていた食べ物が外に出ても、気管の中にまだ残っている場合があります。詰まっていた食べ物が取れても、速やかに医療機関を受診してください。

せきをしてものどに詰まった食べ物が出てこない場合や、せきがでずに息を吸うときにヒューヒューという音がして息を吸いにくいように見える場合は、すぐに119番通報をして救急車を呼んでください。救急隊員が到着するまでの間、異物除去や心配蘇生(そせい)を行います。

窒息の応急処置「異物除去」

異物除去の方法には、「腹部突き上げ法」「背部叩打(こうだ)法」があります。可能であればまず腹部突き上げ法を行い、背部叩打法と腹部突き上げ法を繰り返し行います。ただし、妊婦や乳児には、腹部突き上げ法は行わず、背部叩打法だけを行います。

腹部突き上げ法

背部叩打法

心肺蘇生とAED

ぐったりして呼びかけに反応がなくなった場合や、異物除去ができない場合は、胸骨圧迫を始めます。また、AED(自動体外式除細動器)が近くにある場合は、AEDを使った心肺蘇生を行います。

心肺蘇生 胸骨圧迫

心肺蘇生 AED(自動体外式除細動器)

のどに詰まらせやすい食品は?

窒息を防ぐためには、まず、窒息の原因になりやすい食べ物を知り、できるだけ避けるか、調理や食べ方の工夫で、のどに詰まらせにくいようにすることが大切です。窒息の原因になりやすい食品は、いくつかのタイプに分けられます。

粘りけのある食材

は、大変粘りけが強く、のどに詰まらせやすい食べ物の代表です。しかし餅だけではありません。ごはんおかゆおにぎりなどを含む)、さつまいもなども粘りけがあり、窒息の原因になりやすいため、注意が必要です。

硬い、かみにくい食材

鶏肉などの肉や、たここんにゃくなど、硬く、かみにくい食材も、窒息の原因になります。

パン、野菜
お菓子

パンや、にんじんなど硬い野菜、果物、だんごやあめ、ゼリーなどの菓子類も、のどに詰まらせやすい食品です。

調理や食べ方の工夫で窒息を防ぐ

細かく刻まれた餅と鶏肉

餅や肉などの場合は、食べる人の一口サイズより小さく切ります。硬い野菜は、加熱してやわらかくします。パンなどパサパサしてのみ込みにくい食べ物は、水分をとりながら食べるようにしましょう。

こんにゃく入りゼリーは、弾力があることが窒息を起こしやすい一因ですが、凍らせて弾力性が落ちたものでも、あめ玉と同じように、のどに詰まる危険性があります。あめなどを口に入れた状態で横にならないように注意してください。

窒息を防ぐポイント

窒息を防ぐには、食べ物を細かく刻む、少量ずつ口に入れる、ゆっくりよくかんで食べる、水分をとりながら食べる、食べながら話さないようにすることが大切です。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2018年12月号に詳しく掲載されています。

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