【患者体験談】足首の関節が曲がらない!足関節可動域障害の症状と治療

更新日

運動の健康効果足・脚

足関節可動域障害になったとき -私のチョイス-

ある日突然 アキレスけん断裂に!

Aさん(40歳・女性)は毎朝の散歩が日課でした。ある日、散歩の途中で横断歩道を渡ろうと駈け出した瞬間、目の前が真っ暗に。気づいたときには、足が動かず歩けなくなっていたため、病院へ運び込まれました。
診断の結果は、「アキレスけん断裂」。治療は、手術をするか、8週間ギプスで固定するかのチョイスでした。Aさんはギプスで固定する治療をチョイスしました。

ギプスはとれたが・・・

8週後、ギプスがとれ、MRI画像では断裂したアキレス腱はしっかりとついていました。ところが、足を地面につけるとビリビリした痛みがあって足首の関節が動かず、つま先を上げられない状態になっていました。

診察結果は、足関節の「可動域障害」でした。足首が上側に曲がりづらい症状を「背屈可動域障害」、逆側に曲がりづらい症状を「底屈可動域障害」といいます。Aさんは、ギプスで足首を8週間固定されていたため、関節が動きにくくなり、「背屈可動域障害」になってしまったのでした。

「可動域障害」の理学療法による治療とは

歩くこともままならなかったAさんは、整形外科で診察を受け、理学療法をチョイスしました。理学療法とは、日常的な動作を回復させるリハビリなどの治療です。

可動域障害の多くは、関節周りの筋肉、関節包、筋膜が固くなることによって起こります。Aさんの場合はギプスで固定する治療によって、足首周りの筋肉に加え、膝回り、股関節周りまで固くなっていました。そこで、足首周辺から、膝、股関節の周りの筋肉や筋膜をゆっくりとほぐしていき、その後に足首が曲がりづらい方に圧をかけるという治療を受けました。

自宅でできるトレーニング

Aさんは、家でできるトレーニングも教えてもらいました。
片足を前に、もう片足を後ろに引いて立ちます。前足の膝を伸ばしながら、後ろ足の膝を曲げていき体重を後ろに移動します。その状態で30秒以上キープします。これで、膝からかかとにつながるヒラメ筋をストレッチ。次に、曲げた後ろ足の膝を伸ばしながら前足の膝を曲げ、体重を前に移動します。この体勢で30秒以上キープします。これはヒラメ筋の外側についている腓腹筋のストレッチになります。ポイントは、体重を移動するとき、かかとが床から離れないようにすること。前に出す足を左右変えながら、ぞれぞれ3回繰り返します。このトレーニングは、関節の可動域を回復させるだけではなく、再発予防の効果もあります。

治療を週1回受け、家でもトレーニングを続けたところ、7か月後には、Aさんは以前のように走れるまでに回復しました。

この記事は以下の番組から作成しています

  • チョイス 放送
    若返りトレーニング(3)~関節をやわらかに~