詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2018年9月号に詳しく掲載されています。

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加齢性難聴とは、加齢に伴って起こる聴力の低下のことです。聴力は一般には40歳代から少しずつ低下していき、次第に言葉などが聞き取りにくくなっていきます。コミュニケーションや日常生活に支障を来すだけでなく、認知機能の低下につながるともいわれています。加齢性難聴のある人は年齢とともに多くなり、65歳以上ではおよそ3人に1人、75歳以上では約半数を占めるという報告があります。60歳を過ぎて聞こえにくくなり、日常生活に支障を感じるようになったら、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。自覚がなくても、家族など周りの人に指摘された場合も受診することがすすめられます。
加齢性難聴と思っても、中にはそれ以外の耳の病気が隠れていることがあります。その場合、その病気を治療することで難聴が治ったり改善したりすることがあります。そうした病気が除外されると、加齢性難聴と診断されます。
加齢性難聴は加齢以外に特別な原因がないため治すことはできませんが、自分に合った補聴器を使うことで聴力を補うことができます。補聴器がすすめられる目安は、聴力検査で聴力が40デシベル以上の難聴とされています。これは、近くでひそひそ声で話しかけられても気づかなかったり、難聴がない人にはうるさいと感じられるほどの音量でなければテレビの音が聞こえづらかったりというレベルの聴力です。
補聴器が必要と診断された場合は、耳鼻咽喉科医に「補聴器適合に関する診療情報提供書」を書いてもらいます。
その提供書を持って認定補聴器専門店へ行き、聴力にあわせた、適切な補聴器を選択します。(認定補聴器専門店は、全国に700店以上あります。)
補聴器は、1~2週間、日常の生活で試しに使ってみることもできます。そして、自分にふさわしい補聴器を決め、必要に応じて調整を繰り返しながら、自分に合ったものにしていくのです。
その後も、聴力や補聴器は定期的にチェックを受けるようにしてください。聴力の変化に応じて補聴器を調整し直すことが大切です。
使い始めは、「音がうるさい」「聞こえが十分改善しない」などと感じる人もいますが、ある程度使い続けていると、脳や耳が慣れて違和感が減り、使いやすくなっていきます。慣れるまでの期間は、一般的に3か月間が目安です。
補聴器には、耳かけ型、耳穴型、ポケット型の3タイプがあります。
耳かけ型は、本体を耳の後ろにかけます。
耳穴型は、耳に穴にぴったりと収まるようになっており、耳の形に合わせオーダーメイドで作ります。
ポケット型は、コントローラーにイヤホンをつないで使用します。ほかのタイプよりもサイズが大きいため、家の中で使うのに適しています。
補聴器の基本的な機能として、言葉を聞き取りやすくするため、雑音抑制機能や衝撃音抑制機能、言葉を際立たせる語音強調機能などがあります。ほかにもさまざまな機能が搭載されているものがありますが、補聴器を選ぶときにはそうした機能を使いこなせるかどうかも考慮しないと、逆に使いにくくなることもあります。自分にとって必要な機能を備えた補聴器を選ぶようにしましょう。
詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2018年9月号に詳しく掲載されています。