詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2018年9月号に詳しく掲載されています。

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肺がんの薬には、従来の抗がん剤を使って治療する「化学療法」、特定のがん細胞に作用する「分子標的薬」、がん細胞ではなく、その周囲の血管に作用する「血管新生阻害薬」、免疫を利用した「免疫チェックポイント阻害薬」があります。
薬物療法はいつ行う?肺がんの進行度による治療方針の違い「化学療法」は、従来の抗がん剤を使った治療です。主に細胞が分裂する増殖過程に作用して、がん細胞を抑える働きがあります。「化学療法」で使う抗がん剤には、たくさんの種類がありますが、プラチナ製剤にそのほかの薬を1剤加えて使用することがほとんどです。治療期間は、1か月程度の周期を数回繰り返して行われるのが一般的です。
「分子標的薬」は、がん細胞だけが持つ特定の遺伝子変異などをピンポイントで狙い撃ちします。化学療法の多くは、がん細胞だけでなく正常な細胞も攻撃してしまうため、重い副作用が起こることも少なくありませが、「分子標的薬」は、正常な細胞へのダメージが少なく、副作用が比較的少なくて済みます。
がんの遺伝子変異にはいくつかの種類があります。「分子標的薬」は、EGFR阻害薬、ALK阻害薬、ROS1阻害薬、BRAF阻害薬、MEK阻害薬、MET阻害薬があり、これらの薬剤をそれぞれの遺伝子変異に合わせて使用していきます。「分子標的薬」を使うためには、診断時に遺伝子タイプを調べることが非常に重要になってきます。
がんが増殖するとき、栄養をもらうために血管が新しく作られます(血管新生)。「血管新生阻害薬」は、その新しく作られる血管を作られないようにして、がんを兵糧攻めにする薬です。「血管新生阻害薬」は、単独でがんを小さくする効果はないので、通常、化学療法と併用して使うのが一般的です。
これまでにも免疫療法はありましたが、多くの患者さんで思ったほどの効果が得られませんでした。しかし、最近登場した新しい免疫療法は、これまでとは別の方法で「免疫細胞」が「がん細胞」を攻撃できるようになりました。
免疫細胞には「ブレーキボタン」がついています。これは、免疫細胞が異物を退治した後に、そのままにしておくと自分を攻撃してしまうことがあるので、それを防ぐためのスイッチです。しかし「がん細胞」もこのブレーキボタンを押すことができるため、免疫細胞はがん細胞を攻撃できなくなってしまいます。
そこで、開発されたのが「免疫チェックポイント阻害薬」です。「免疫チェックポイント阻害薬」はがん細胞がブレーキボタンを押せないようすることができるのです。
併用していた薬が効かなくなり新薬に...もし新薬も効かなくなったら?(70歳 女性)
詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2018年9月号に詳しく掲載されています。