生活改善で股関節に負担を軽減


壊死の範囲が狭く、壊死部分に体重があまりかからない場合は保存的治療を行います。一方で壊死が進行し、範囲が広い場合には、骨[こつ]切り術や人工股関節置換術などの手術を行います。非ステロイド系抗炎症薬などの痛み止め(鎮痛薬)を服用し、日常生活では股関節に負荷がかからないようにします。負荷がかからない生活を6か月程度おくれば、壊死した部分が元通りに回復することも期待できます。
例えば、歩くときには、松葉づえを使うようにすると、股関節の負担が軽くなります。また、いすやベッド、洋式トイレなどの生活に切り替えます。また、お風呂で体を温めることも、血行がよくなるため、痛みの軽減に役立ちます。ただし、腫れていたり、患部が熱っぽい感じがあるときは、症状が悪化することもあるのでシャワー程度にしましょう。ストレッチは股関節を柔らかくし、血液循環を促す効果があります。
進行した場合には手術を行う

大腿骨頭壊死症では大腿骨頭の一部を切り、回転させて、壊死していない部分に体重をかかるようにする回転骨切り術が多く行われます。自分の関節を残すことができ、比較的若い人に選択される手術です。6週間ほどの入院が必要で、手術後も痛みやむくみが残ることもあります。また、高齢者では人工股関節置換術が選択されるケースが多くなります。