大腿骨頭壊死症とは?


骨壊死(こつえし)が最も多く起きるのが大腿骨の先端にある大腿骨頭です。大腿骨頭は、骨盤に深くはまるような形をしています。もともと酸素や血液を供給しておる血管が少ないため、血液の流れが悪くなったり、途絶えてしまうと、骨の一部が死んでしまうのです。その壊死した部分に体重がかかると潰れてしまい、痛みがあらわれるようになります。進行すると、大腿骨や股関節に変形が進み、足を引きずって歩くようになったり、歩けなくなったりします。
原因としては捻挫や脱臼などの外傷や、ダイビングなど潜水したときに水圧の急な変化で気泡が血管内に詰まって(潜函(かん)病)、壊死につながることがあります。しかし、その多くは原因がはっきりとしておらず、特発性大腿骨頭壊死症と呼ばれています。アルコールの飲み過ぎやステロイドの使用に関連して起こることが多いとされています。また、全身性エリテマトーデスなどの病気とも関係が深いと考えられています。この特発性大腿骨頭壊死症は国の難病指定を受けており、年間の発症数は2000人~3000人と推計されています。
骨壊死が起きるのは?

骨壊死は大腿骨頭以外にも、ひざの大腿骨や肩の上腕骨頭にも起こることがあります。丸い骨がうすのような形の関節や骨に、はまるようなところに起こるのが特徴です。