詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2018年5月号に詳しく掲載されています。

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圧迫骨折は主に背骨で起こります。背骨は骨である椎体とクッション役である椎間板が連結してできており、椎体と背骨の後ろ側をガードする骨との間には神経が通っています。この神経を圧迫してしまうと、脚の感覚が鈍くなったり、しびれが起こったりします。
上の左の図のように、骨折が骨のおなか側である、前の方に止まる場合(圧迫骨折)は脚のまひやしびれなどの神経症状はありません。しかし、右の図のように骨折が後ろ側の壁まで及ぶと、骨が神経を圧迫してしまい、まひやしびれなどの神経症状が伴うことがあります。この状態を破裂骨折と呼びます。
破裂骨折の場合、重症なまひがはじめから出るとは限りません。骨の破片が徐々に神経を圧迫していきますので、次第にまひが広がるといったことが起こる可能性があります。
圧迫骨折の治療では、まずX線などの画像検査で骨折の部位を特定します。その上で神経症状のない圧迫骨折の場合は基本的に保存的治療からおこないますが、症状が続く場合、手術になることもあります。
破裂骨折で神経症状がある場合は、手術を検討することになります。
圧迫骨折の保存的治療では、安静と痛みのコントロールが基本です。できるだけ安静を保ち、圧迫骨折の部分をコルセットやギプスで固定します。コルセットは患者の体型や背骨のカーブに合わせたものを医療機関で作ってもらうほうがよいでしょう。
2~3か月続ければ、約80%の患者さんで圧迫骨折を起こした部分が結合し、痛みも軽くなります。痛みが軽くなれば、徐々にリハビリテーションを開始します。また、圧迫骨折を再び起こさないように、骨粗しょう症の治療を継続して骨を強くすることも重要です。
骨粗しょう症 薬による治療カルシウムだけじゃない!骨を強くする栄養素運動の衝撃で骨を強くする2~3か月保存的治療を続けても骨が結合せず痛みが続く場合は手術を検討します。最近では椎体形成術のひとつ、バルーン・カイフォプラスティー(BKP)が行われます。潰れた椎体の中に特殊な針を挿入します。その針の先からバルーンを入れて膨らまして、椎体を元の形に復元します。その空間を満たすように、医療用の骨セメントを注入して元どおりに修復していきます。
バルーン・カイフォプラスティー(BKP)の手術時間は1時間ほどですが、数日間の入院が必要になります。また、2011年の1月から日本でも保険適用されています。
まひや下半身のしびれなどの神経症状があらわれる破裂骨折の場合は、骨セメントを入れることで神経障害を起こしてしまう可能性があるため、先に紹介したバルーン・カイフォプラスティー(BKP)はおこなうことができません。
そのため、骨折した骨にスクリューなどの金属を埋め込み固定する椎体除圧固定術などの手術を検討します。
椎体除圧固定術は骨折した骨の上下に金属製のスクリューを入れて、さらにスクリュー同士を金属製のロッドで固定する方法です。上下の骨を固定することによって、骨折した部分がくっつくようになり、骨への圧力もかからなくなるために神経への圧迫もなくなります。
圧迫骨折・破裂骨折の手術後にはリハビリをおこなうことが一般的です。具体的なリハビリ内容は、医師あるいは理学療法士が患者さんの状況を見て判断していくことになりますが、基本的には転倒しないようにバランス感覚を鍛えること、下半身の筋トレが重要になります。
下記で紹介する運動は圧迫骨折の治療としてだけでなく、骨粗しょう症の予防や転倒予防にもつながります。毎日続けることが重要ですので、実践する際は無理のない範囲でおこなうようにしましょう。
【運動を始める前の注意点】
【やり方】
※最初は短時間で、できる範囲から始めてもよい
【効果】
【やり方】
【効果】
※最初は短時間で、できる範囲から始めてもよい
圧迫骨折が判明 対処は?(55歳 男性)
詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2018年5月号に詳しく掲載されています。