詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2018年5月号に詳しく掲載されています。

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圧迫骨折は背骨がつぶれたように折れてしまうことです。圧迫骨折は70代男性で10.8%、女性では22.2%(10年間の椎体骨折の累積発生率)の割合で発生したと報告されています。
圧迫骨折の主な原因は骨粗しょう症です。圧迫骨折を起こす人は、もともと骨粗しょう症があることが多く、骨の強度が低下し骨がもろくなっています。そのため転んで尻餅をつくなど、背骨に衝撃が加わると圧迫骨折が起き、背骨がつぶれてしまうのです。
背骨には大事な神経が通っていますので、骨折した骨が神経を圧迫してしまうとまひを引き起こす可能性があります。実際に圧迫骨折をした人の10.3%が寝たきりにつながったというデータがあります。
また、衝撃がなくても自分の体の重さに耐えきらずに潰れてしまうこともあります。その場合はなかなか自分で気付くことができません。
圧迫骨折は、痛みなどの症状が現れることがほとんどないため、圧迫骨折がある人の多くは骨折していることに気付いていないといわれています。
背骨の1か所に圧迫骨折があると、その後5年間に次の圧迫骨折が起こる確率は、圧迫骨折がない人の2.4倍になり、2か所以上に圧迫骨折があると4.9倍になります*。"ドミノ倒し"のように複数の場所に拡大してしまうと、背が縮む・背中が曲がるなどの症状があらわれます。また、背筋が伸ばせなくなるため、バランスが悪くなり転倒しやすくなります。そして、寝たきりにつながってしまうことも多いのです。
さらに、大腿骨を骨折した方の80%に、以前に背骨の骨折があったという報告があります。これは多くの人が圧迫骨折していることに気が付かないため、そのまま大腿骨の骨折につながってしまっていると考えられています。
寝たきりになると死亡のリスクも上がるので、1つでも圧迫骨折があったら、適切な治療を受けることが大切です。
*Kadowaki E ,et al. Osteoporos Int. 2010
圧迫骨折を起こして寝たきりにならないためにも、圧迫骨折を起こしているかどうか確認する必要があります。「圧迫骨折」に早く気付くためには次のようなチェックがあります。
ほかにも、「背が縮んだ」「背中や腰が曲がった」「寝返りや立ち上がるときに背中や腰が痛む」「動作がぎこちない」この4つの中で1つでも当てはまるようなら、一度整形外科を受診しましょう。また、背が縮んだ、背中や腰が曲がった、などは本人が気付かないことがありますので、家族が気をつけてあげることが重要です。
圧迫骨折を起こして背中が曲がってしまうと、「吐き気・食欲不振・腹部膨満感」「胃食道逆流症」「便秘・痔(じ)」「息苦しさ」「意欲の低下・抑うつ」などの症状につながることがあります。
圧迫骨折が発生していることによって、日常生活の動作に及ぼす影響を日本で調査したデータがあり、下記のような影響があると報告されています。
圧迫骨折が見つかるキッカケは、痛みを伴って整形外科を受診して発見されるケースが非常に多いです。この場合、骨折がかなり進行していることも多くあります。
検診で圧迫骨折が見つかるケースもありますが、数としてはまれだといわれています。
圧迫骨折のセルフチェックのポイントに当てはまる場合、気になる症状などがある時は早めに受診することが大切です。最近では、整形外科だけでなく、内科や婦人科でも骨粗しょう症の診断をおこなっていますので、そういった近くの医療機関に行くようにしてください。
圧迫骨折が判明 対処は?(55歳 男性)
詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2018年5月号に詳しく掲載されています。