がん患者の心得 家族に遠慮せず話し、周囲の協力を得よう

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心得その五「ソーシャルサポートを構築して家族以外にも協力してもらう」

がん患者さんをサポートしていくため、「家族負担」についても考える必要があります。現実には配偶者が1人でサポートしているケースも多く、家族がその負担の大きさに疲れ切ってしまう場合もあります。

そこで必要なのが、家族や友人、職場の同僚、近所の人などによる協力体制である「ソーシャルサポート」です。役割の内容から3種類のサポートに分類できます。
「情緒的サポート」は、一緒にいるとホッとできたり癒やされたりする人です。「手段的サポート」は、受診の際の車での送迎や買い物の代行など、実際的な助けをしてくれる人です。「情報的サポート」は、病気や治療などについて正しい情報を集めてくれる人です。
それぞれの役割に2~3人ずついると、しっかりしたサポート体制を構築できます。ソーシャルサポートが多い患者さんほど、がんの経過が良好であるという報告もあります。「がんになったらお互いさま」と考えて、サポートしてくれた人ががんになったときは、自分や家族がサポートしてあげると心強い関係を築きやすくなります。

心得その六「がんについて家族で遠慮せず話す」

がん患者さんの中には、家ではがんの話をしにくいという人もいます。患者さんが家族に対して「がんになって申し訳ない」と思い、家族が患者さんとどう接していいのかわからなくなった結果、双方が無言になって家庭での会話が少なくなるケースがあります。
そうした状況を打開するために、患者さんは「がんになったから頼ります」と考え、家族は「今何をしたらいい?」と患者さんに聞いてあげることがすすめられます。そうして、家の中でお互いに遠慮せずにがんについての話ができるようになると、家族みんなでがんを乗り越えていこうと考えられるようになってきます。

記事「どうする?「がんと言われたら」 患者さんの心の推移と大切にしたい心得」
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この記事は以下の番組から作成しています

  • きょうの健康 放送
    賢い患者の心得「がんと言われたら」