入浴温度と血栓のできやすさ


血栓とは、血管内の血の塊です。血栓ができ、脳や心臓の血管に詰まると、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こします。血管の内側の壁からは、血栓を溶かす働きのあるt-PAという物質と、t-PAの働きを阻害して血栓を増大させるPAI-1という物質が分泌されていますが、これらの分泌に、入浴するお湯の温度が影響を及ぼすことが分かってきました。
t-PAは入浴するお湯の温度が高くなればなるほど分泌が減り、PAI-1は47℃の高温のお湯では分泌が増えます。そのため、高温のお湯に入浴すると血栓が形成されやすく、さらにそれが増大する危険性も高くなるのです。また、こうした影響は入浴後6時間ほど持続することが分かっています。入浴後の体調にも注意が必要です。