動脈硬化を改善する「PCSK9阻害薬」

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スタチンとPCSK9阻害薬の併用による効果

スタチンとPCSK9阻害薬の併用による効果

動脈硬化を防ぐ薬として以前から主に使われているのが、のみ薬のスタチンです。2016年から、動脈硬化を防ぐ薬として、注射薬のPCSK9阻害薬も登場しました。いずれも動脈硬化の主な原因であるLDL-コレステロール値を下げる薬です。この2つを併用すると、スタチン単独での使用と比べて、LDL-コレステロール値を平均でおよそ60%低下させることができます。
その結果、心筋梗塞の発症を抑制する効果が、2017年3月に発表されています。この研究は、狭心症や心筋梗塞を起こしたことがあり、スタチン単独ではLDL-コレステロールを十分に低下させられなかった27,564人の患者さんを対象に行われました。これらの患者さんを、スタチン単独使用のグループと、スタチンとPCSK9阻害薬併用のグループに半分ずつに分けて治療を続け、使用開始から平均で2~3年ほど経過を観察しました。
その結果、併用したグループは、スタチン単独使用のグループと比べて、心筋梗塞の再発が27%少ないことが明らかとなりました。

PCSK9阻害薬は費用や注射に手間がかかるという課題があります。注射は月に1~2回行い、費用は3割負担の場合7,000円ほどかかります。現時点では、基本的には生涯続ける薬です。そのため、心筋梗塞を発症する危険性が高く費用をかける必要性のある人に使用することになります。一番の適用は、生まれつきLDL-コレステロールが高くなる体質の「家族性高コレステロール血症」の人です。
ほかに、心筋梗塞を発症したことがありスタチン単独ではLDL-コレステロールが十分低下させられない人や、糖尿病があり狭心症・心筋梗塞を含め動脈硬化性の病気がある人も使用をすすめられることがあります。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2017年11月号に詳しく掲載されています。

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この記事は以下の番組から作成しています

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