2つ以上の該当者は要注意!結核の発病チェック検査と治療法を解説

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結核の約60%は70歳以上! 手軽に検査できる危険度をチェック

結核発症危険度チェック

結核の発病の危険性が高くなるのは、次の5つのチェック項目のうち、①の70歳以上で、②~⑤のいずれかに当てはまる人です。

【結核 発病危険度チェック】
①70歳以上
②糖尿病がある・腎臓病で透析治療を受けている・胃の切除手術後
③関節リウマチの注射薬・抗がん剤・ステロイド薬(内服)などを使っている
④やせすぎ
⑤喫煙者

国内で結核を発病する人の約60%は70歳以上です。これは、高齢になるにつれて結核菌に対する免疫の働きが低下するのが原因と考えられます。そのほかにも、糖尿病がある、腎臓病で透析治療を受けている、胃の切除手術後という人や、関節リウマチの注射薬、抗がん剤、内服のステロイド薬などを使っている人、やせすぎている人も、免疫の働きが低下して発病しやすくなります。
喫煙者は、肺にもともと備わっている免疫の働きが低下するため、非喫煙者と比べて発病の危険性が2倍高くなります。

若い人の間で結核の集団感染が起きている

若い人は結核に対する獲得免疫を持っていないので、1人の発病者が出ると周りに感染者を増やして、その周りの感染者の中から発病者が増えていきます。現在では、このような若い人の集団感染が目立つようになってきており、結核はけっして高齢者だけの病気ではなくなってきています。

結核の検査方法と治療法

結核の検査、診断された場合の治療
胸部エックス線検査で正常な場合と結核の炎症が写っている写真

かぜに似た症状が長引く場合は、呼吸器科など、胸部エックス線検査を行える医療機関を受診してください。上記の画像のように、エックス線で肺に影が写り肺結核の疑いが出た場合は、たんの検査を受けます。もし、たんの中に結核菌が見つかれば、結核を発病していると診断されます。そうでない場合は、さらに血液検査を行って感染しているかどうかを調べることもあります。

結核を発病していると診断された場合は、まず4種類の抗生物質(抗菌薬)を2か月服用し、さらにそのうちの2種類(イソニアジドとリファンピシン)を4か月服用します。のみ続けることで、ほとんどの患者さんは治ります。

結核の治療で複数の薬を併用する理由

1つだけの薬を服用していると、結核菌の耐性化という現象が必ずおこってしまい、薬が効かなくなってきます。耐性化を防ぐために、最低でも3種類以上の結核の薬を使って治療を行います。
ただしまれに、これらの薬が効かない耐性菌による結核になるケースがあります。耐性菌による結核の場合は、2014年から使用されているデラマニドという抗生物質(抗菌薬)と従来の抗生物質(抗菌薬)を併用して治療を行います。2018年にはベダキリンという抗生物質も使えるようになりました。また、肺に空洞ができているために治りにくい場合も、薬だけでなく外科治療により患部を切除することがあります。
服薬が不規則なことが原因で耐性菌が発生してしまうことが多いので、自分の判断で薬をやめたり服用したりしないことが大切です。

結核の発病を予防することが大切

結核は重症化すると命に関わる危険な病気です。感染したら必ず発病するわけではありませんが、免疫力が低下することで発病するリスクは高まります。そのため、免疫の働きを保って発病を予防することが大切です。
また、結核はすべての世代の人に感染する可能性のある病気なので、発病予防だけでなく感染予防も行うことも必要です。

「結核の予防法や症状」などについて詳しく知りたい方はこちら

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2017年2月号に詳しく掲載されています。

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