高齢者の糖尿病 食事・運動・薬のポイント

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低栄養に注意

低栄養に注意

糖尿病の食事療法では食べ過ぎないことが大事ですが、高齢者の場合は低栄養にも注意が必要です。低栄養は体重が減ることや食事の量が減ることを意味します。高齢者も過食はよくありませんが、若い人と違って食欲が低下することが多く、様々な病気も合併して、やせてしまうことがよくあるのです。
そのため、むしろエネルギー量を減らしすぎないよう気をつけます。目安は1日1200kcal未満にしないことです。また、筋肉が減ってくるのを防ぐために、たんぱく質を多めにとります。ただし腎不全の人は、たんぱく質をとり過ぎないほうがよい場合があるため、医師に相談してください。

運動は軽いものから

糖尿病の運動療法

高齢者では体力が低下してすぐには歩行ができない人もいます。その場合、運動療法は軽いものから始め、運動の強度や量を徐々に上げていくことが必要です。また、様々な種類の運動を組み合わせることが、要介護の予防になると言われています。
運動が苦手だという人は、普段の生活のなかで、まず活動を増やすことから始めます。家の掃除をする、買い物に出るなど、こまめに体を動かす時間を増やすことが大切です。

薬ののみ忘れに注意

高齢者は薬ののみ忘れが多くなります。特に認知機能が低下すると、指示どおりに薬をのむことが難しくなります。外出のときに薬を持っていくのを忘れてしまう人も多くなります。
薬をのみ忘れたら、そのことを医師や薬剤師に必ず伝えてください。のみ忘れたことを伝えないと、医師は「薬は効いていない」と思い込んで薬を増やしてしまうことがあります。また、残った薬をあとからまとめて飲むことがないようにしてください。
高齢者は薬の副作用が起こりやすくなったり、薬の効きすぎで起こる低血糖が重症化しやすくなったりします。これらにも注意してください。

注射薬は回数を減らすことも

糖尿病の注射薬

糖尿病の薬には注射薬もあります。認知機能の低下などで使うのが難しい場合、注射の回数をできるだけ減らします。ただしこれは2型糖尿病の場合で、1型では注射回数は原則として減らしません。
注射薬にはインスリン製剤とGLP-1受容体作動薬があります。インスリン製剤では1日1回の注射で効果が24時間十分に持続するタイプ、GLP-1受容体作動薬では週1回の注射でよいタイプがそれぞれ登場しました。患者さんが自分で注射できない場合には、訪問看護の人にGLP-1受容体作動薬を週1回打ってもらうという方法が可能になりました。

なお、インスリン製剤は低血糖を起こしやすいため注意して使います。GLP-1受容体作動薬は単独では低血糖を起こしにくくなっています。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2017年10月号に詳しく掲載されています。

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