これって"川崎病"?

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川崎病とは

川崎病とは

川崎病は赤ちゃんから大人まで年齢を問わずに発症する可能性がありますが、実際には0~4歳での発症がほとんどです。川崎富作(かわさき・とみさく)医師が50年ほど前にこの病気を発見したことから、「川崎病」という病名になりました。
川崎病は、全身の血管で炎症が起って発症することは分かっていますが、原因不明の病気です。ただし、日本人に多い病気で、夏と冬に集中して発症することから、何らかの感染症的要因と遺伝的要因が関係して発症するのではないかと考えられています。

症状

症状

体表的な症状は、高熱目の充血いちごのように舌がブツブツと赤くなる全身にさまざまな形の発疹が現れる手や足が腫れる後に指先から皮がむける首のリンパ節が腫れるの6つです。子どもで38℃以上の高熱が5日以上続き、目の充血や発疹などの症状も現れていれば、注意が必要です。

症状

ほかにも、「熱が出てきてからBCG注射を打ったあとが赤く腫れて、かさぶたができる」ことがあります。これも、川崎病の発見につながる特徴的な症状の1つといえます。

心臓の合併症 冠動脈瘤[りゅう]

心臓の合併症 冠動脈瘤[りゅう]
心臓の合併症 冠動脈瘤[りゅう]

川崎病の症状は適切な治療を受ければ、ほとんどは数日内に治まりますが、注意が必要なのは、心臓の合併症冠動脈瘤」です。冠動脈は、心臓に酸素や栄養を届けている重要な血管です。この冠動脈の血管壁が炎症によって弱くなると、血圧に耐えられずに、その部分が膨らんで瘤(冠動脈瘤)ができます。

心臓の合併症 冠動脈瘤[りゅう]

冠動脈瘤があると血栓ができやすくなり、血栓が冠動脈を塞いでしまうと、その先の血流が途絶えて心臓の筋肉が壊死[えし]し、心筋梗塞を引き起こすことがあります。

診断と検査

診断と検査

6つの症状のうち5つ以上に該当すれば川崎病と診断されます。ただし、5つ以上の症状が出そろうまでには数日かかることが多いので、1回の診察では診断がつかないこともあります。また、川崎病の代表的な6つの症状は、かぜなどの病気でも起こることがあるため、見逃しやすいものです。気になる症状があれば、早めに受診しましょう。
診断では、まず問診と診察で症状を確認し、血液検査で炎症の程度や合併症の有無を調べます。さらに、超音波(エコー)検査で心臓や冠動脈の状態を調べ、心電図検査で心臓の筋肉に異常があるかどうかを調べます。また、症状が4つ以下でも、川崎病の疑いが強い場合には検査を行い、川崎病と診断することもあります。

心臓カテーテル検査

発症から2~3か月たっても冠動脈の直径が6ミリを超えている場合は、冠動脈瘤が疑われるので、カテーテル検査を行います。太ももの付け根からカテーテルを挿入し、造影剤を流して冠動脈の形や瘤の大きさなどを調べます。近年ではMRI(磁気共鳴画像)やCT(コンピュータ断層撮影)でも冠動脈の状態を調べられますが、冠動脈瘤の治療を行う際にはカテーテル検査が不可欠です。

主な治療法

主な治療法

冠動脈瘤の発症を防ぐためには、発症から9日の間に薬物治療で血管の炎症を抑えることが大切です。熱がある場合は、免疫グロブリンアスピリンを併用します。2つの薬を使うことで、冠動脈瘤の発症を大幅に減らすことができるようになりました。
免疫グロブリンは血液製剤で、全身の炎症を鎮めて感染を防ぐ効果があります。12~24時間かけて点滴で注入するため、5~7日程度の入院治療が必要です。副作用は少なく安全性の高い治療法ですが、まれに点滴中にアレルギーや血圧低下などの副作用が現れることがあります。
アスピリンは、血管の炎症を抑えたり、熱を下げたり、血栓ができるのを防ぐ効果があります。のみ薬で、退院後も2~3か月は自宅で服用を続けます。副作用として出血時に血が止まりにくくなることがあります。
これら2つの薬の併用で効果がみられない場合や、重症化しそうだと判断された場合には、炎症を抑える効果がより強いステロイドを追加することもあります。副作用としては、ウイルスや細菌に感染しやすくなるなどがあります。

熱が下がらない場合の治療

熱が下がらない場合の治療

治療しても熱が下がらない場合には、免疫グロブリンを再度使ったり、免疫抑制薬の使用、免疫細胞の働きを強く抑えるインフリキシマブという薬による治療、患者さんの血液をいったん体の外に出して血漿(けっしょう)成分を入れ替え、体内に戻すことで炎症物質を除去する血漿交換などの治療法を試みることもあります。

冠動脈瘤ができた場合の治療

冠動脈瘤ができた場合の治療

冠動脈瘤が発見された場合には、アスピリンやほかの抗血小板薬を服用し、血栓ができるのを予防します。瘤の大きさが6ミリ以上の場合には、抗凝固薬を追加して、より強力に血栓を防ぎます。
冠動脈瘤の状態によっては、心臓カテーテル治療やバイパス手術が必要になることもあります。

日常生活で気をつけること

日常生活で気をつけること

熱が下がり、冠動脈瘤がなければ、退院できます。ただし、その後も2~3か月間はアスピリンを服用し、小学校に入学するまでは、定期的に心臓の検査を受けます。
日常生活や学校生活、運動など、普段どおりにすることができます。ただし、再発することもあるので、発熱した際には川崎病の症状に注意してください。
また、冠動脈瘤ができていない人でも、大人になってから血管が膨らんだり縮んだりする機能が少し落ちていることがわかっており、動脈硬化が起こりやすいのではないかと疑われています。血管を痛める危険性が高いということを忘れずに、塩分や脂質のとり過ぎに注意して、健康的な食生活を送るように心がけましょう。
親御さんは、お子さんが子どものころに川崎病にかかったことがあるということを伝えてください。川崎病にかかったことを忘れないようにするのが大切です。

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この記事は以下の番組から作成しています

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