痛みや腫れなど痛風が起きる仕組み


痛風はある日突然、足や指などの関節が、赤く腫れて痛み出すもので、その原因となるのが尿酸です。血液中に増えすぎてあふれ出た尿酸は、関節の軟骨や関節を守る滑膜[かつまく]にくっついて結晶となり、どんどん溜まっていってしまいます。溜まりすぎた尿酸がはがれると、免疫細胞である白血球はこれを異物と認識し、攻撃します。このとき白血球が出す炎症物質が激しい痛みや腫れを引き起こすのです。
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痛風はある日突然、足や指などの関節が、赤く腫れて痛み出すもので、その原因となるのが尿酸です。血液中に増えすぎてあふれ出た尿酸は、関節の軟骨や関節を守る滑膜[かつまく]にくっついて結晶となり、どんどん溜まっていってしまいます。溜まりすぎた尿酸がはがれると、免疫細胞である白血球はこれを異物と認識し、攻撃します。このとき白血球が出す炎症物質が激しい痛みや腫れを引き起こすのです。
痛風の原因となる尿酸は、体内でプリン体が分解・合成されることで作られます。通常、役割の終わったプリン体は血液にのって肝臓で分解され尿酸となり、腎臓でろ過され、尿と一緒に排せつされます。体内でプリン体が増え過ぎてしまうのには主に3つの原因があります。ひとつは古くなった細胞が新陳代謝で分解されるとともに細胞の老廃物として増えてしまう。また、激しい運動など、大量のエネルギーが使われるときエネルギーの燃えかすとして増えてしまう。最後に食品に含まれるプリン体として体内へ入ってくることです。食品から摂るプリン体の量というのは全体の20%、体内で作られる細胞の老廃物やエネルギーの燃えかすが80%です。
痛風のなりやすさを見るセルフチェックです。10項目の中で5つ以上当てはまると痛風を発症する危険が高いといえます。「男性である」「30歳以上である」「太っている」「外食やコンビニ食が多い」「食事の時間が不規則」「アルコールをよく飲む」「ジュースや清涼飲料水をよく飲む」「甘いものを好む」「ストレスが多い」「家族に痛風の人がいる」。
食べすぎ、運動不足、ストレスといった肥満の原因が尿酸を増やしてしまいます。実際、身長からみた体重の割合を示す「BMI」では肥満になるほど、痛風になる危険度は高くなります。また肥満になると、インスリンというホルモンが増加して、腎臓での尿酸の排せつを低下させて尿酸値を上げます。
ビール・紹興酒などにはプリン体が多く含まれており、飲み過ぎは尿酸値を上げる原因になります。一方でプリン体が少ない日本酒・ワイン、プリン体をほとんど含まない焼酎やウイスキーなどにも注意が必要です。それはアルコール自体に尿酸を増やしてしまう働きがあるからです。アルコールには、肝臓での尿酸の生産を促進し、腎臓での排出を抑制する作用があり、またアルコールの利尿作用によっても水分が減るため体内の尿酸が凝縮してしまいます。また、アルコールを飲むことで食欲増進し、エネルギーの高い食べ物をたくさん摂取してしまうことも痛風の発作に関係すると考えられています。
注意が必要な方はプリン体の摂取量を1日400mg以内に収めるようにしましょう。プリン体がきわめて多いもの(100g中に300mg以上)は、鶏レバー、まいわし干物、いさき白子、あんこうの肝酒蒸しなどです。プリン体が多いもの(100g中に200mg~300mg)は、豚レバー・牛レバー、かつお、まいわし、大正えび、まあじ干物・さんま干物などです。プリン体は水に溶ける性質があるため、ゆでる・蒸す・煮るなどの調理法でプリン体を少なくすることもできます。ただし、ゆで汁・煮汁にはプリン体が溶け込んでいるので飲まないようにしましょう。
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