人間ドック 賢明活用術「脳の検査」

更新日

脳卒中脂質異常症脳・神経

脳ドックとは

脳ドックとは

脳ドックは、脳に関する検査を半日~1日ほどで受けて脳の様子を調べるもので、さまざまな異常が早く発見できるため脳卒中脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)の予防に有効です。脳ドックでは、脳の血管を映し出し脳動脈りゅうなどを調べる頭部MRA(磁気共鳴血管画像)検査、脳の内部を断面図にして脳梗塞や微小脳出血などを調べる頭部MRI(磁気共鳴画像)検査、頚[けい]動脈に超音波を当てて動脈硬化の状態を調べる頚動脈超音波(エコー)検査などを行い、病気が起こる危険度を調べます。
脳ドックが勧められるのは、「両親や兄弟姉妹が脳卒中を起こしたことのある人」「脳卒中の症状を一時的に起こしたことのある人」「喫煙、高血糖、高血圧、脂質異常症、肥満などの危険因子をもっている人」などです。費用は施設によって異なりますが、一般に数万~10万円くらいです。異常が見つかった場合、経過観察のための2回目以降の検査は、健康保険が適用されます。

脳動脈りゅうが見つかったら

脳動脈りゅうが見つかったら

脳動脈りゅうは、脳の血管にできる小さなこぶです。これが破れて出血が広がるものが、くも膜下出血です。脳ドックを受ける人はもともとリスクが高い人が多いため、脳ドックで脳動脈りゅうが見つかる割合は約5%(一般的には約1%)、そのなかの1%がくも膜下出血を起こすといわれています。
脳ドックのMRA検査で脳動脈りゅうが見つかっても、ほとんどの場合経過観察になります。半年から1年に1回程度MRA検査を受けますが、こぶが小さくて、大きさに変化がない場合は特に心配はいりません。脳動脈りゅうが非常に大きかったり、形がいびつだったりした場合、または、場所や年齢などを総合的に考慮して、手術が選択される場合もあります。高血糖や高血圧、脂質異常症がある場合は、必要であればの服用を開始するなど、きちんと治療を行うことも大切です。食生活の改善・適度な運動・禁煙も心がけましょう。

この記事は以下の番組から作成しています

  • きょうの健康 放送
    人間ドック 賢明活用術「脳の検査」