進行によって異なる血管性認知症の症状や予防、薬による治療について

更新日

血管性認知症の症状チェック

血管性認知症の症状チェック
血管性認知症の症状チェック

血管性認知症になると、上の表のような症状が現れます。進行に伴って起こりやすい順番に症状を並べています。

血管性認知症は、脳の白質という情報を伝える経路となる場所の神経細胞が死滅します。そのため情報を最短ルートで伝えることができず、以前はスムーズにできたことが段取りよくできなくなります。次第に記憶を呼び起こすときにも時間がかかるようになり、物忘れが多くなってしまいます。
アルツハイマー病による物忘れは初期から自分の体験自体を忘れてしまいますが、血管性認知症の初期は自分が体験したことは覚えているため、会話をしている相手がヒントを出せば具体的な内容を思い出すことができます。

脳からの司令が、情報経路の遮断によって体にうまく伝わらなくなると、動作は全般的にゆっくりになります。また、遮断が広範囲になると、活気がなくなったり、言葉数が少なくなったりします。さらに進行して脳の前頭葉の障害が大きくなると、感情のコントロールが難しくなるため、急に怒ったり、泣いたり、笑いだしたりするようになり、泣いている表情で笑うなどということが起こります。

血管性認知症が疑われたら

血管性認知症が疑われたら

上記の症状チェックで当てはまる項目があり、血管性認知症が疑われる場合、脳卒中を起こした人であれば神経内科や脳神経外科など治療を受けた医師に相談することをおすすめします。脳卒中を起こしたことがない人は、物忘れ外来や神経内科、精神科、脳神経外科などを受診してみてください。
血管性認知症の診断は、CT、MRIなど脳の画像検査や、記憶力などを調べるテストにより行われます。
症状が出にくく気づきにくい脳小血管病については、早期発見のためにも、脳に関するさまざまな検査を行う脳ドッグがおすすめです。特に、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病、喫煙など動脈硬化の危険因子がある人や、70歳以上の人は、脳ドックなどで脳の状態を詳しく調べることがすすめられています。

血管性認知症の対処法

血管性認知症 脳卒中の再発を防ぐ
血管性認知症 脳小血管病の悪化を防ぐ

脳卒中が原因で血管性認知症になった場合は、脳卒中の再発予防が認知症の発症や進行を防ぐために欠かせません。対処の基本は、食事や運動、禁煙など生活習慣の改善で、それで不十分な場合は薬を使用します。

薬は大きく分けて2タイプあり、1つは生活習慣病や「心房細動」という不整脈など、脳梗塞の原因となる病気の薬です。もう1つは、脳梗塞を引き起こす血の塊を作らせないために血液をサラサラにする薬で「抗血小板薬」や「抗凝固薬」があります。脳小血管病の悪化を防ぐ対処も、生活習慣の改善や、必要に応じて生活習慣病の薬を使用することが大切です。

血管性認知症の症状を改善する薬

血管性認知症の症状を改善する薬

血管性認知症に多い意欲低下・うつ・不安感・注意力低下などの症状がある場合は、脳の血管を拡張する「脳循環改善薬」や、神経細胞の代謝を促す「脳代謝改善薬」を使います。

認知症のQ&A

『Q&A認知症』はこちら