子どもの発達障害 徹底解説「限局性学習症(LD)」

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限局性学習症とは

限局性学習症

知的な発達に遅れはないのに、「読む」「書く」「計算する」といった特定のことがうまくできない場合があります。これは、限局性学習症と呼ばれる発達障害です。文字の読み書きや数字の理解に関わる脳の働きが十分に発達していないことによるものです。
例えば、読みの困難には「形の似た字を間違える」「どこで区切って読めばいいかわからない」などがあります。書きの困難には「文字を左右逆さに書いてしまう」「漢字を部分的に間違う」などがあります。計算の困難には「数字の概念が理解できない」「簡単な計算ができない」「3番目と3つの違いが理解できない」などがあります。こうした困難があると、勉強がスムーズにできず、周りから「勉強する気がない」「努力していない」などと誤解を受けてしまい、子どもにとって大きなストレスとなります。限局性学習症があると、学校生活だけでなく、就職してからも困難な状況が続きます。

読みの困難
書く困難

限局性学習症の診断

気になる場合は早く相談を

文字を学び始める小学校1年生までは、発達の遅れはあまり目立ちませんが、学年が進むごとに「読み書き」が他の子どもより苦手なことが明らかになっていきます。まず学校の先生などに相談し、必要に応じて、小児科や児童精神科、各地域の保健センター、子育て支援センター、児童発達支援センターといった専門機関を紹介してもらいましょう。

限局性学習症の診断

専門機関では、様々な検査を行い、診断します。まず、医師や臨床心理士などの専門家の指示のもと、頭のCTやMRIなどによって脳の病気の有無を確認します。次に知能テストや心理テスト、表現力や行動力のテストを行い、知的障害や精神疾患がないかなど、総合的な評価を行います。こうした過程で、ほかの発達障害があるのかも確認します。そして、読み書きや計算の検査を行い、学習症かどうか診断されます。

限局性学習症のサポート

入試では、特別措置があります。大学のセンター試験では、限局性学習症の場合、申請すれば、試験時間を1.3倍にしてくれる特別措置があります。また一部の公立高校の受験でも特別措置を行っているところがあります。

限局性学習症 子どもへの対応

また実際の生活では、勉強の時だけ困難が生じるので、学校などの教育現場と家庭でのサポートが重要になります。学習症の子どもは、他の子どもよりも、勉強に時間がかかるため、自信をなくしがちです。できないことや苦手な事を注意するよりも、一緒にやって、できたという自信をつけさせること、ほめることが大切です。

マルチメディア デイジー教科書

マルチメディア デイジー教科書

マルチメディア デイジー教科書は、読むことに困難を抱える子どものために開発されたもので、学校の教科書と全く同じ内容が収録されています。切れ目ごとにハイライト表示と音声が出てきて、読みに困難をもつ子どもの理解を助けてくれます。

大阪教育大学などの研究では、「音読する時間が短くなった」「読み誤りが少なくなった」という結果が示されています。文部科学省でも普及促進を行っていて、学校や教育委員会と連携して、全国規模で展開できるよう検討が進められています。

サポートのポイント

サポートのポイント

限局性学習症がある場合は、家庭や学校での適切なサポートが必要になります。話をしているときには理解しているのに、読み、書き、計算といった特定のことができない場合には、医療機関の小児神経科、地域の保健センター、子育て支援センターなどを通じ、小児神経科医や言語聴覚士に相談しましょう。

サポートの例

サポートは、その子の抱えている困難に応じて対応します。「自分が読んでいるものを理解することが困難」という場合には、「子どもが音読したあとに、続けて教師や親がゆっくり正確に声に出して読む」「文の少ない絵本を交代で音読する」などがあります。「文字を逆さに書いてしまう」場合には、「なぞり書きを何度も繰り返す」「間違えても叱らず、正しい文字を見せる」などが有効です。
限局性学習症の理解はまだ十分に進んでいません。生まれつきの個性のようなものだということを理解して、社会全体で支えていくことが求められます。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2018年11月号に詳しく掲載されています。

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