脂質異常症の治療 魚・大豆製品中心の食事、運動、薬物療法とは

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食で健康づくり 運動の健康効果 脂質異常症 動悸(どうき)がする 息切れがする・息苦しい 胸が痛い 循環器・血管 胸・心臓

脂質異常症と診断されたらまずは生活習慣の改善

脂質異常症と診断されたらまずは生活習慣の改善
脂質異常症と診断されたらまずは生活習慣の改善

血液中に含まれるコレステロールや中性脂肪などの脂質の量が増えすぎることで、動脈硬化を進めて心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こす脂質異常症。もし、脂質異常症と診断されたら、まずは食事や運動、禁煙など、生活習慣の改善から始めましょう。それでも数値が良くならなければ薬も使います。

肉よりも魚や大豆製品を多くとる

肉よりも魚や大豆製品を多くとる

食事では動物の肉を減らし、魚を増やしましょう。肉の動物性脂肪には、飽和脂肪酸が多く含まれていて、これが悪玉のLDLコレステロールを増やしてしまいます。飽和脂肪酸が特に多いのは、牛や豚のバラ肉、鶏肉の皮、加工肉などです。
一方、魚に多く含まれる多価不飽和脂肪酸は悪玉を増やしません。しかも、中性脂肪を減らし動脈硬化を防ぐ働きもあります。多価不飽和脂肪酸が特に多いのはサンマ・ブリ・イワシなどの青魚です。
食物繊維が多く含まれている野菜やきのこ、海藻、果物、こんにゃくなども、積極的にとりましょう。食物繊維は、食事に含まれるコレステロールの吸収を抑えることで悪玉のLDLコレステロールを減らします。大豆も食物繊維が豊富に含まれていて、悪玉のLDLコレステロールを減らす働きがある不飽和脂肪酸も多く含んでいるので積極的にとりましょう。

肉よりも魚や大豆製品を多くとる

有酸素運動を習慣化し、喫煙者は禁煙も

有酸素運動を習慣化し、喫煙者は禁煙も

脂質異常症対策の運動は、ウォーキングなどの有酸素運動が適しています。
「ややきつい」と感じ、汗が少しにじむ程度の強さで、できれば毎日30分以上行いましょう。まとめてでなく数回に分けて行ってもかまいません。ウォーキング以外にも、水中運動やサイクリング、ラジオ体操などもおすすめです。ただし、心臓病・糖尿病・高血圧などが重い人は事前に医師に相談してから始めるようにしてください。
運動には、中性脂肪を減らす、善玉のHDLコレステロールを増やす、動脈硬化を防ぐなどさまざまな効果があります。
喫煙は、狭心症や心筋梗塞の直接の原因で、善玉のHDLコレステロールも減らしてしまいます。自分だけで禁煙するのが難しい場合は、医療機関で禁煙の治療を検討してみるのもよいかもしれません。

脂質異常症の薬物療法

脂質異常症の薬

脂質異常症と診断されたときは、まず食事や運動など、生活習慣の改善が大切ですが、効果があまりみられない場合は薬による治療が行われます。ただし、狭心症や心筋梗塞のリスクが高い場合には、早めに薬物療法を行います。

使用される薬は、悪玉のLDLコレステロールの値を下げるものが中心で、スタチンが最もよく使われます。スタチンの効果が不十分の場合は、エゼチミブ、レジン、プロブコール、ニコチン酸誘導体などが使われます。さらに、PCSK9阻害薬という作用の異なる薬が2016年に登場しました。スタチンと併用することで非常に大きなLDLコレステロール低下効果が認められています。

中性脂肪の値を下げるにはフィブラート系、ニコチン酸誘導体、EPA製剤、ω-3脂肪酸エチルなどの薬が使われます。
これらの薬による副作用は、ほとんどが軽いものですが、スタチンには横紋筋融解症という重い副作用があります。これは筋肉の細胞がダメージを受けて腎臓の機能が悪化するというものですが、非常にまれな副作用なので、過剰な心配は必要ありません。

この記事は以下の番組から作成しています

  • きょうの健康 放送
    脂質異常症 隠れたリスクを見逃すな!「食事・運動・薬で治療」