食後に中性脂肪値が急増する原因?動脈硬化につながる「食後高脂血症」とは

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食後高脂血症とは

食後高脂血症とは
食後高脂血症とは

食後、血液中の中性脂肪が異常に増えることを食後高脂血症といいます。脂質の多い食事をとれば、健康な人でも中性脂肪はある程度増えますが、食後高脂血症ではその増え方が著しく、しかも時間が経過しても十分に下がりません。
食事で取り込んだ中性脂肪は、最初はコレステロールも少し含んだ大きなかたまりになっていますが、すぐに脂肪酸という小さい物質へとどんどん分解されていきます。脂肪酸は、細胞に取り込まれ、エネルギーとして使われます。

食後高脂血症とは
食後高脂血症とは

食後高脂血症では、この中性脂肪の分解がスムーズに進まず、レムナントという分解途中の中性脂肪のかたまりが血液中に長くとどまることになります。これが食後高脂血症の正体です。なおレムナントにはコレステロールも含まれています。
レムナントが血液中に長くとどまると血管壁に入り込みやすく、その結果コレステロールがたまって動脈硬化を引き起こします。また、食後の中性脂肪値が高いほど、狭心症や心筋梗塞を引き起こす危険性が高まることもわかっています。

食後高脂血症の検査

食後高脂血症の検査法の例

通常、血液中の中性脂肪値を調べる検査は、空腹時に採血を行われます。そのため、食後の中性脂肪値が増える食後高脂血症かどうかはわかりません。空腹時の中性脂肪値が正常であっても、それだけで安心することはできないのです。
しかし、空腹時の中性脂肪が高い人は食後も高い傾向があります。また、空腹時に正常でも食後だけ高い場合があります。
食後高脂血症の検査は、12時間以上絶食したあとに高脂肪食を摂取し、その1時間後から8時間後までに採血を繰り返すなどの方法で行われています。検査中はベッドで安静にしている必要もあります。

食後の中性脂肪値の上昇の程度を予測する方法

このほか、負担の少ない検査法として、食後の中性脂肪値の上昇の程度を予測する方法があります。この検査では、レムナントを包み込んでいるアポたんぱくB-48という中性脂肪を包み込んでいる物質を空腹時の1回だけの採血で調べます。たったこれだけで、食後の中性脂肪値の上昇の程度が予測できることがわかってきました。まだ保険適用されていないため、実施している医療機関は限られていますが、新しい検査法として注目されています。

肥満の人や糖尿病の人は要注意

肥満の人や糖尿病の人は要注意

食後高脂血症は、メタボリックシンドローム糖尿病の人によく起こります。
"メタボ„と診断されるのは、へその高さで測った腹囲が、男性で85センチ以上、女性で90センチ以上あり、脂質異常(中性脂肪増加かHDLコレステロール低下)、高血糖、高血圧のうち2つ以上当てはまる場合です。

メタボや糖尿病の人がなりやすいのは、インスリン抵抗性が関係していると考えられます。インスリン抵抗性とは、内臓の周囲に蓄積した脂肪細胞がいくつかの悪いホルモンを分泌し、糖や脂質の代謝をことごとく乱してしまうことを言います。その結果、食後の中性脂肪の分解も進まなくなるのです。
食後高脂血症と診断されたら、食べ過ぎに気をつけたり、運動を習慣にしたりなど、生活習慣を改善し、メタボ対策を行うことが重要です。