パーキンソン病とは?症状と薬による治療、リハビリについて

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パーキンソン病震えがある麻痺(まひ)がある手・腕足・脚脳・神経

パーキンソン病とは

パーキンソン病とは

パーキンソン病の患者数は意外と多く、70歳以上のおよそ100人に1人が発症すると言われています。かつては発症10年ぐらいで寝たきりになるというイメージがありましたが、現在は治療で症状の進行を遅らせ、健康な人と同じような生活を送ることができるようになってきました。
パーキンソン病は、脳内の神経伝達物質「ドパミン」が作られなくなる病気です。ドパミンは、運動の調整を司る物質なので、減少すると運動の調節がうまくいかなくなり、動作がゆっくりになったり、動きがスムーズでなくなったりするのです。

最初の症状は、手が震えたり、よく転ぶようになったりすることです。老化のせいと思いがちですが、パーキンソン病の場合、手の震えは、じっとしていると起きて何かの動作をすると出ない、片方の手だけに出るなどの特徴があります。

  1. 手足のふるえ
  2. 動作が遅い・少ない
  3. バランスがとれない
  4. 筋固縮(腕や足を動かすとカクカクする症状)
などの兆候があったら、神経内科で診察を受けましょう。

治療のチョイス1「薬」

治療のチョイス1「薬」

パーキンソン病の薬は主にふたつあります。

L-ドパ」は脳内でドパミンに変化します。効き目が早く強いという特徴がありますが、ウェアリング・オフや不随意運動という現象がおきやすいです。
ウェアリング・オフ現象」とは、病気の進行が進むと薬が効く時間が短くなってしまい、それまでと同じように飲んでいたのでは、効かない時間「オフ状態」が出てくることです。
また、薬を多くのみすぎると起きやすいのが「不随意運動」。自分の意に反して身体がクネクネ動く症状です。「病状日記」に食事の時間、薬を飲む時間、ウェアリング・オフや不随意運動が起きた時間と症状の度合いなど、体調を記録しましょう。1日の変動リズムがわかれば、なるべく変動が少なくなるように、主治医と服薬の種類や方法について相談することもできます。

もうひとつの薬は「ドパミンアゴニスト」。脳の中でドパミンに似た働きをします。効き目は弱いですが、ゆっくり効くので1日1回飲むだけで1日中穏やかで安定した効果を得られるという特徴があります。

現在は、薬の治療を始めるのは早いほどよいと考えられています。早期発見、早期治療すれば、病気の進行を緩やかにすることができるからです。

治療のチョイス2「リハビリテーション」

治療のチョイス2「リハビリテーション」

薬と並行してリハビリテーションを行うことも重要です。リハビリテーションをすると薬の効果も高まるとされています。身体は、動かさないと筋力や柔軟性がどんどん衰えます。リハビリテーションはできるだけ早く始めた方がよく、病気のどの段階でも必要です。
身体だけでなく、発声練習のリハビリテーションも重要です。パーキンソン病によって、声が小さくなったり、早口やかすれ、言葉がなかなか出てこないなどの症状が出てくることがあります。カラオケで大きな声で歌ったり、本などを大きな声を出して読むのも有効です。

この記事は以下の番組から作成しています

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