不眠症の原因と改善法、自分でできる認知行動療法、睡眠の質を高めるには

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不眠症の原因

不眠症とは

心配事などがあるとき、夜、布団に入っても寝つけない、途中で目覚める、目覚めが早すぎて二度寝ができない、などの一時的な不眠は、健康な人にも起こります。原因がはっきりしている不眠は、通常、数日から2週間ぐらいで元に戻ります。ところが、不眠が長引くと、日中にも眠気やけん怠感などの心身の不調が現れ、仕事や家事に支障が出るようになります。このような慢性化した不眠が3か月以上続くと、不眠症と診断されます。

不眠症を長引かせる大きな原因の一つが、不眠が続くことによる不安や焦りです。不眠を招いた原因そのものが解決されても、眠りたいけど眠れないこと自体が悩みになって、慢性化していきます。

もう1つの要因は、独特の睡眠習慣です。早く眠りにつくために、寝床に早く入るとか、朝も寝床にいることでまた眠れるのではと期待するなど、"寝床にしがみつく習慣"がついてしまうと、それらがいっそう眠れない時間を増やし、不眠を悪化させていくのです。

自分でできる不眠症改善「認知行動療法」

自分でできる不眠症改善

いったん慢性化した不眠症は、自然に治ることはあまり期待できないため、治療が必要です。治療には薬を使う場合もありますが、睡眠習慣を改善する治療法として、認知行動療法があります。認知行動療法とは、眠りに対する思い込みや強迫観念を正し、一人一人にあった睡眠習慣を見つけていく方法です。ここでは自分でできる3つの方法を紹介します。

①寝床にしがみつかない

不眠症で苦しんでいる人は、眠ることにとらわれ、寝床は苦しい場所だと無意識に思っているため、緊張感でますます眠れなくなってきます。そこで、眠くなるまで寝床に入らない、眠れないままに寝床で過ごさない、の2つを実行し、"寝床は眠れる場所"だということを体に条件づけます。

②睡眠効率アップ

睡眠効率とは、寝床にいた時間に対する実際に眠った時間の割合(実際に眠っていた時間÷寝床にいた時間)です。不眠症の人は、寝床にいても眠っていない時間が長く、睡眠効率が低い傾向にあるので、最終的には85~90%に上げていくことを目指します。自分の睡眠効率を知るには、睡眠日誌が役立ちます。

③リラックス

寝る前や夜中に目覚めたときに、簡単な体操を行う筋弛緩法を実行しましょう。単に筋肉をほぐすだけでなく、副交感神経の働きでリラックスしたり、脈拍が遅くなったりなど、全身に影響を与えることができます。

自分の睡眠の問題点を見つける「睡眠日誌」で睡眠効率を高める

不眠症の人の例

不眠の解消法のひとつに、「睡眠日誌」があります。睡眠日誌には、「寝床に入った時刻」「実際に眠りについた時刻」「目が覚めた時刻」「寝床から出た時刻」「途中で起きていた時間や昼寝をした時間」など、6つの時刻を記録します。1~2週間記録して表にすれば、「寝床に入る時間が早すぎる」など、自分の睡眠習慣の問題に気づくことができます。睡眠効率が低い場合は、起床時間は変えずに、寝床にいる時間を短くすることによって、睡眠効率を高めることができます。

睡眠日誌

上の2つの図のうち下のほうが治療した後です。寝床に入る時刻を少し遅めにし、処方された睡眠薬を服用するなどして毎日一定の時間に眠るように整えます。眠気を十分にため込むと、寝床についてから入眠までの時間が安定してきます。

もし、10分ほどしても眠くならないときは、寝床から出るようにしましょう。寝床が"眠れなくてつらい場所"というイメージが定着してしまうと、ますます眠れなくなってしまいます。寝床に入ってもしばらく眠れず苦しいときや、途中で目が覚めて二度寝が難しいときなども、いったん寝床から離れてみましょう。

睡眠の質を高めるには

睡眠の質を高めるには

睡眠の質を高めるには、朝、起きる時刻を決めて、たとえ眠くても必ず寝床から出るようにします。太陽の光を浴びると、体内時計はリセットするとされています。光を浴びる時間を一定にして体内時計を安定化させると、やがて入眠時刻も安定してきます。ただし、目覚めが早すぎるときには、早朝から太陽の光を長時間浴びるのは避けましょう。早朝覚醒が悪化してしまうからです。同じ時刻に寝床から離れ、室内で過ごす程度で十分です。また、昼寝は夜の睡眠に影響を与えるので、30分以内に起きるようにしましょう。

夜、寝床につく時間と、朝起きる時間の2つの時刻を守りながら3~4週間ほど繰り返していくと、自分にとって本当に必要な睡眠時間がわかってきます。自然と眠くなる時間に寝床に入るようになり、自ら睡眠をコントロールしているという自信がつけば、気持ちも少しずつ楽になり、不眠も解消されるでしょう。