慢性腎臓病の早期発見につながる検査(尿検査・血液検査)と治療法

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慢性腎臓病(CKD)糖尿病腎症高血圧体がだるいむくんでいる食欲がない腎臓循環器・血管

慢性腎臓病の検査

慢性腎臓病の多くは、「尿検査」「血液検査」で早期発見できます。たんぱく尿と血清クレアチニン値はどちらか1つが異常でも慢性腎臓病と診断されます。病気を見逃さないためには両方の検査を受けることがすすめられます。

尿検査

尿検査の結果の見方 タンパク尿の数値

正常な腎臓では、たんぱくは尿の中には漏れません。しかし慢性腎臓病では血液をろ過する糸球体にさまざまな異常が生じて、尿にたんぱくが検出されることがあります。
たんぱく尿が「1+」以上だと慢性腎臓病が疑われます。「−」は正常です。「+−」はほぼ正常ですが経過観察がすすめられます。たんぱく尿は激しい運動や発熱による発汗で一時的に+(プラス)になることもありますので、+(プラス)が3か月以上持続した場合に、慢性腎臓病と診断されます。

血液検査

血液検査 血清クレアチニン値

血液検査では、「血清クレアチニン値」を調べます。腎臓は血液の中の老廃物を排泄する大切な役割を持っています。クレアチニンは老廃物を代表する物質で、腎臓が正常の場合には尿に出ますが、腎臓の働きが低下すると十分に排泄されず、血液にとどまる量が増えます。
クレアチニンの値から「GFR」という値を推算します。GFRとは、腎臓の働きを表すもので、GFR60未満が続く場合は、慢性腎臓病が疑われます。

GFR値と慢性腎臓病の関係

糖尿病の人が必要な検査

糖尿病の人が必要な検査

糖尿病が原因の慢性腎臓病(糖尿病性腎症)の場合、初期の段階からたんぱくの1つであるアルブミンがごく微量、尿に漏れるため、早期発見のためには、たんぱく尿検査と血清クレアチニン検査の他に「微量アルブミン尿検査」が有効です。
早期発見により、糖尿病性腎症進行を抑制することが期待できます。

慢性腎臓病の治療

慢性腎臓病の治療

慢性腎臓病の治療では、血圧の管理や血糖値の管理が重要です。また、肥満の解消や禁煙も大切です。

血圧の管理

血圧の管理

血圧は140/90未満に管理します。ただし、糖尿病を合併していたり、たんぱく尿が1+以上の場合は、130/80未満にコントロールする必要があります。(診察室血圧)

血糖値の管理

血液検査で分かるHb(ヘモグロビン)A1cの値を7%未満に下げます。

食事療法

慢性腎臓病の治療 食事療法

食事療法では、食塩の摂取量を1日6g未満に管理することが重要です。また、肥満は腎臓病が進行する大きな要因になりますので、食べ過ぎないことが重要です。

慢性腎臓病の食事療法について詳しくはこちら

この他に慢性腎臓病には適度な運動も勧められています。
慢性腎臓病の運動療法についてはこちら

慢性腎臓病に関するご質問

『Q&A 慢性腎臓病』はこちら

この記事は以下の番組から作成しています

  • きょうの健康 放送
    しのびよる慢性腎臓病「早期発見 しっかり治療」