胸郭出口症候群の解消ストレッチ・対策と治療法 腕や肩の痛み、しびれなどの症状を改善

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胸郭出口症候群の対策

なで肩による胸郭出口症候群を改善するには、姿勢の注意や体操療法のほかに日ごろから体に負担をかけない工夫が大切です。
まず、適度な休息や十分な睡眠をとって、なるべく疲労をためないようにしましょう。たとえば、仕事中などに肩こりや腕のだるさを感じたら、休憩をとるようにします。特に、手や腕のしびれが出ている場合は、無理をしてはいけません。入浴時に体を温めれば、血行が促進することで筋肉の疲労回復や、血管の圧迫による血流低下を改善できます。

重い荷物は、腕が引っ張られて症状を悪化させるので、できるだけ手で持たないようにします。キャリーバッグを使ったり、左右の手で交互に持ったりするなど、肩に負担をかけない工夫をするようにしてください。

胸郭出口症候群の治療

胸郭出口症候群の症状が比較的軽い場合は、よい姿勢や運動療法などで改善することもあるので、焦って治療する必要はありません。ただし、腕や手のしびれや脱力などの症状が強い場合は、整形外科を受診することがすすめられます。

治療は、血流改善薬ののみ薬や、しびれなどの神経障害を緩和するビタミン剤などが使われます。また、神経が圧迫されている部位への神経ブロック注射や、患部に超音波を当てたり過度に緊張した筋肉をゆるめる運動をしたりするリハビリ、肩を引き上げる装具の着用などを行うこともあります。こうした治療をしても効果があまりない場合、手術が行われることもあります。

胸郭出口症候群やスマホ姿勢を改善する体操

スマホ姿勢やなで肩による胸郭出口症候群が疑われる場合は、姿勢をよくする体操がおすすめです。
ただし、下記のような症状がある人は、急性期だと考えられ肩を安静にする必要があるため、体操を行わず整形外科を受診してください。

  • 肩の強い痛み、腕や手に強いしびれがある
  • 肩を動かしていないのに痛む
  • 握力が低下したり手指の動きが悪い

体操を行う場合は、呼吸を止めずに、ゆっくりした動作で行い、痛みが出たら中止してください。それぞれの体操は、10~20回を1セットとし、1日3セットを目安に行います。

胸をひらいてスマホ姿勢を改善

横向きに寝て、股関節とひざを曲げます。両腕を胸の前に伸ばし、両手のひらを合わせます。下半身を横に向けたまま、上半身をひねって上の腕で下の腕をなぞりながら胸の方へ引き寄せます。最後に胸をおおきく開きます。腕を伸ばすときは、無理にひじを伸ばす必要はありません。反対側も同様に行います。

体幹を鍛えてスマホ姿勢を改善

あおむけに寝て、ひざを肩幅に広げて立てます。両手は胸の上に置きます。息を吐きながら、お尻・腰・背中の順で徐々に上げていきます。無理のない範囲で上げられるところまで上げたら、その状態を3秒間保ち、背中・腰・お尻と逆の順で戻します。シールを少しずつはがしていくイメージで、尾てい骨から背中にかけてゆっくり上げていくのがコツです。

なで肩さんの肩こり解消筋トレ

両手と両ひざを床につきます。両手は肩幅に、両脚は腰幅に開きます。顔を前に向けながら、腰を落としていきます。その状態を3秒間保ったら、頭を下に向けながら背中を丸めるようにして腰を引き上げていき、その状態を3秒間保ちます。おへそを真、下真上に動かして、肩が前後しないよう意識しましょう。

なで肩さんの肩こり解消ストレッチ

両手と両ひざを床につき、肩幅に開きます。片方の手を反対側の手の平の前に、内側に90度ひねって置きます。ひねって置いた前の手と同じ側のひざを少し後ろに引き、すねの辺りを反対側の足につけます。その体勢から、前の手で床を押しながら、お尻を後ろに引いていきます。その状態を3秒間保ち、元に戻します。背中が丸まったり、頭が両手の間に入ってしまうと十分に伸ばすことができません。
反対側も同様に行います。

この記事は以下の番組から作成しています

  • きょうの健康 放送
    体操満載!肩こり・肩の痛み対策「スマホ姿勢となで肩による障害」