中等症以上のうつ病に有効な「認知行動療法」とは?

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認知行動療法とは

認知行動療法とは

人の気分や行動は、ものごとの捉え方によって大きく変わります。ボトルに残っている飲み物を見て「まだこんなに残っている」とも「これしか残っていない」とも考えることができるように、あるできごとが起こったときに、どう捉えるかは人によって違い、またその状況によっても違います。その捉え方を「認知」と呼びます。「認知行動療法」とは、感情や気分に影響を及ぼしている偏ったものの見方や考え方を修正し、より現実的で幅広い捉え方ができるようにしていく治療法です。

うつ病の人に共通する偏った考え方

うつ病の人に共通する偏った考え方

うつ病の場合、ものごとを否定的に捉える考え方の偏りが共通してみられます。特徴的なものは次のようなものです。

根拠のない決めつけ

例)電話したが、相手が出ない→相手に無視された、嫌われているなど、証拠がないのに否定的な結論を出す。

「0か100か」思考

例)テストで80点を取った→100点を取れなければ0点と同じだ、自分はダメな人間だなど、ものごとを極端に捉える。

過度の一般化

例)昇進試験に落ちた→自分は企画力も営業力もない、部下の教育もできないなど、広範囲のことまで結論づける。

自己非難

例)部下たちの営業成績が落ちた→自分のせいだ、自分がすべて悪いんだなど、必要以上に原因を自分と関連づけて責める。

認知行動療法のやり方

認知行動療法のやり方

認知行動療法にはいろいろな手法があります。たとえば、気になるできごとやそのときの自分の考え方を紙に書き出し、医師と一緒に振り返るという治療法があります。繰り返し行うことで自分の考え方のくせが見えてくるようになり、それをどう変化させたらいいかというパターンがわかり、柔軟な見方ができるようになってきます。
認知行動療法は、中等症や重症の患者に行うと改善しやすく、その後の再発もしにくいことがわかっています。また、抗うつ薬を使った薬物療法を併せて行うほうが治療効果が高い、という研究データもあります。

認知行動療法を受けるには

認知行動療法は健康保険が適用される治療ですが、現状では行っている医療機関は限られています。2016年4月から研修を受けた看護師が医師の指導のもとに認知行動療法を保険診療で行えるようになりました。認知行動療法を受けたい場合は、主治医や地域の精神保健福祉センターなどの相談窓口などに相談し、医療機関を紹介してもらうようにしてください。

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この記事は以下の番組から作成しています

  • きょうの健康放送
    うつ病 徹底解説「認知行動療法とは?」