【患者体験談】アルコール依存症と向き合う

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仕事のストレスから毎日アルコールを飲む生活に

アルコールを飲む男性

Aさん(40代・男性)は、大学卒業後、不動産会社に就職。職場では上司から厳しく怒られる日々が続きました。そのストレスから逃れるために、仕事が終わるとビールや日本酒などアルコールを気を失うまで飲むという生活になったといいます。

「手っ取り早くあったのがお酒だった」

その後20代後半で独立し経営者になると、職場で怒られるようなことはなくなりましたが、自由な時間が増え、孤独と暇を感じるようになりました。今度はその状態から抜け出すために、朝から1日中アルコールを飲むようになってしまいました。

「24時間ぶっ通しで何日もアルコールだけで生活していた」

アルコールによる体の異変

そんな生活を送っていたところ体に異変が起きます。背中や胸に激しい痛みを感じるようになりました。救急車を呼ぶこともたびたびあったといいます。

「飲みたくて飲みたくてっていうより、もう自分のこと自分で潰しにかかって自傷行為に近い」

アルコール依存症と診断されて

倒れている男性の写真

アルコールをやめたくても、やめられない生活を送っていたAさん。ある日、Aさんが仕事に来ないことを心配した会社の社員が、自宅で気絶しているAさんを発見します。社員はAさんを近くの内科へ運んだあと専門の医療機関へ連れて行くことにしました。そこでAさんは、深刻な「アルコール依存症」と診断されたのです。

アルコール依存症とは

アルコールを摂取するとドパミンが分泌される

アルコールを摂取すると、脳にドパミンと呼ばれる物質が分泌され幸福感がもたらされます。
ただ、飲酒が習慣化すると、同量のアルコールではドパミンが出にくくなってしまいます。

アルコール依存症発症のメカニズム

そのためドパミンを分泌させるのにより多くのアルコールが必要になり、これを繰り返すことで、脳がアルコールを飲むのをコントロールできなくなってしまうことがあります。こうして「アルコール依存症」を発症するのです。

入院生活のなかで、依存症と向き合う

アルコール依存症と診断されたときのイメージ写真

深刻なアルコール依存症と診断されたAさん。医師から入院を勧められ、その日のうちに入院することになりました。このときAさんは「助かった」気持ちになったと言います。

入院生活のなかで、アルコールの害について「講義」で学び、患者同士で自分の体験を正直に話すことで、自分がアルコールに支配されていたことに気づき始めました。空いた時間は、病院近くの海を歩き、自分を見つめ直しました。こうして退院後もアルコールなしで生活していける自信をつけていったと言います。

Aさんは、入院生活中に講義やミーティングで気づいたことや、自分の断酒への考えをノートに書きつづっていました。このノートを退院後も手元に置き、気持ちが揺らいだときに開くことにしています。退院して5年たった今、Aさんはアルコールを一滴も飲まない生活を続けられています。

この記事は以下の番組から作成しています

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