帯状疱疹が急増!ワクチン・抗ウイルス薬で後遺症を予防

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帯状疱疹(たいじょうほうしん)発疹が出たかゆみがあるできものがある皮膚

帯状疱疹が増えている!

帯状疱疹 発症率の推移

帯状疱疹(ほうしん)の患者数は年々増加し、80歳までに3人に1人がかかるといわれています。宮崎県内の患者を対象にした大規模調査によると、調査開始の1997年から2022年までの間に帯状疱疹の発症率は約2倍にもなっています。特に、2014年から発症率が急激に上昇していますが、この年から乳幼児に対する水ぼうそうワクチンの定期接種が始まったことが一因だといわれています。

帯状疱疹は、水ぼうそうと同じ水痘・帯状疱疹ウイルスが原因です。水ぼうそうにかかると、治った後もウイルスは体内に潜み続けます。それが再び増殖し、神経を伝って外に出ようとすることで、帯状疱疹を発症します。水ぼうそうに感染した子どもを介して、周囲の大人などがウイルスを体に取り込むと、ウイルスに対抗する免疫を強化する「ブースター効果」が得られ、帯状疱疹を発症しにくくなります。しかし、2014年から乳幼児に対して水ぼうそうワクチンが定期接種になり、水ぼうそうに感染する子どもが減少したことで、大人などがブースター効果を得られなくなり、帯状疱疹を発症する人が増えたと考えられています。

注意したいのは「後遺症」

帯状疱疹の症状

帯状疱疹の症状は、ピリピリ、ズキズキ、チクチク、針で刺されたような痛みや、焼けるような痛み、皮膚の違和感やかゆみ、しびれなどさまざまです。これらの症状が、体の神経の分布に一致して、左右どちらかに帯のように症状がでるのが特徴です。多くは、胸、背中などの上半身に現れますが、特に目の上から額の出現率は年齢とともに高くなります。

帯状疱疹にかかったとき、何よりも注意したいのが「後遺症」です。神経痛、しびれ、場合によっては顔面神経麻痺(まひ)、失明、難聴になることもあり、結果的に、眠れない、仕事に行けない、外出できない、うつ症状といったように、生活の質が低下することにつながります。神経痛(帯状疱疹後神経痛)は、5%~20%と高い割合で現れます。

後遺症を防ぐには まず「ワクチンで予防」

生ワクチンと不活化ワクチン

後遺症を回避するための対策があります。それは、事前の「ワクチン接種」です。帯状疱疹を予防するワクチンは、2016年に「生ワクチン」、2020年には「不活化ワクチン」が認可されました。2つのワクチンは、対象者や接種回数、効果などに違いがあります。

接種の「対象者」は、生ワクチンは50歳以上、不活化ワクチンは50歳以上または帯状疱疹にかかるリスクの高い(病気や治療により免疫機能が低下した)18歳以上です。「接種回数」は、生ワクチンは1回、不活化ワクチンは2回です。不活化ワクチンは、50歳以上の人は2か月の間隔をおいて2回、リスクの高い18歳以上の人は1~2か月の間隔をおいて2回接種します。

「費用の目安」は、生ワクチンは1万円程度、不活化ワクチンは2回で4万円程度です。「接種方法」は、生ワクチンが皮下注射、不活化ワクチンは筋肉注射となっています。

「発症予防効果」は、生ワクチンは、50歳以上の人で、4年目が67%、10年後は15%。一方、不活化ワクチンは、50歳以上の人で、2回目接種後、1年目が97.7%、10年目は73.2%と、生ワクチンに比べて効果が高くなっています。特に70歳以上で不活化ワクチンの効果が高いことが分かっています。
さらに、「後遺症(帯状疱疹後神経痛)への予防効果」は、それぞれのワクチンの「発症予防効果」より高くなっています。

<自治体の助成制度が始まっている>
帯状疱疹のワクチンは費用が高いのが難点のひとつですが、50歳以上を対象に多くの自治体が費用の一部助成を始めています。2023年11月の段階で300以上の自治体が助成を行っています。助成額の目安は「半額程度」です。お住まいの自治体に助成の状況を確認してみることをお勧めします。

誰でもできる対策「発疹から3日以内に治療」

ワクチンは、基本的に50歳未満の人は接種することができないのが現状です。そんな50歳未満の人でも後遺症を防ぐための対策があります。

後遺症を防ぐ対策

それは、発疹が出てから3日以内に受診・治療することです。発疹から3日以内であれば、「抗ウイルス薬」による治療で、ウイルスの増殖を抑えることができ、神経痛などの後遺症のリスクを下げることができるのです。そのためには、発疹を見逃さないことが大切になってきます。実は、発疹ができる前、帯状疱疹にはある特徴的な症状が現れます。発疹ができる1週間ほど前から起こる「前駆痛」です。

前駆痛の症状と経過

前駆痛の症状は人によってさまざまです。ピリピリ、ビリビリする痛みや、刺すような痛み、重苦しいズーンとした痛み、あるいは、かゆみやモゾモゾとした違和感程度の場合もあります。前駆痛の場合も、体の神経の分布に一致して、左右どちらかに症状が出ます。また、体の中の方から痛みなどの症状が生じるのも特徴です。この前駆痛が続いた後に赤い小さな発疹が出たら、帯状疱疹を疑い、すぐに皮膚科などを受診してください。
発疹から3日以降に治療を始めた場合については、効果があることを示す治験が少ないだけで、3日を過ぎたからといって効果がないわけではありません。ただし、できるだけ早く受診することをお勧めします。

この記事は以下の番組から作成しています

  • きょうの健康 放送
    ニュース「急増!帯状疱疹 後遺症を防ぐには?」